出版社内容情報
アイとミイは荻寺町に住む双子の姉妹。自作の自転車で、真夜中の散歩に乗り出した二人は、で怪しい光を見る。そこで彼女たちは、近くのマンションに住む少年オサム(サム)と出会い…!?
内容説明
仕事の関係でドイツにいる父と離れて暮らすアイとミイ。アイが組み立てた自転車“ねこちゃん”の完成記念に、2人は一緒に住む叔母の目を盗んで、深夜の町に繰り出した。その途中に見付けたのは、動物園の中でうごく怪しい光。翌日、正体が気になったアイは、自分が見た方向から気になる窓を見付ける。木に登って中の様子をうかがっていると、サムという男の子が、声をかけてきて…。出会いと謎がいっぱいの真夜中の大冒険!
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
東京生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。25歳からのブラジル滞在の体験を描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。以来、第一線で活躍する。1982年『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、84年『わたしのママはしずかさん』で路傍の石文学賞、『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞、『おはいんなさいえりまきに』で産経児童出版文化賞、85年『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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komorebi20
25
児童向け冒険小説ですが、大人が読んでもドキドキハラハラしました。映画「スタンドバイミー」の少年たちのように怖いけど謎解きの探検は、とても魅力的なものです。アイとサムが住んでいる街は、戦時中に空襲で破壊された歴史、戦後復興の歴史、ブラジル移民など角田栄子さんの体験も盛り込まれていてそうした歴史を子供も知ってもらいたいと思います。2024/10/30
たぬ
16
☆4 「魔女の宅急便」「おばけのアッチ」しか知らないのでほかのはどんな感じなんだろ?と手に取ってみた。夜中に一人で出歩く、デパートの社長に電凸する…。いいねえ少年探偵団。行動力あるねえ。同世代の男子にちょっとドキドキしちゃうのも妹が時折鬱陶しいのもみんなみんな12歳女子! で懐かしいやら甘酸っぱいやら。私もねこちゃんに乗ってみたい。2021/01/29
ワッピー
8
いつごろの話かはっきりしないものの、少し前の時代のよう。双子で、方向性の違う発明家アイとオシャレ系のミイを軸に、夜の動物園にともる謎の明かりを追って、話は戦後の混乱期までさかのぼります。双子であることのマイナス面である自分一人の秘密を持てないことにいら立つアイ、そして蚊帳の外に置かれることに不満なミイの掛け合いから微妙な年齢の女の子の心理を描いています。「変装」エピソードはアイの屈折の現れですが、読み込んでいくともっとあるかも。街の歴史をさかのぼっていくプロセスから大団円までわくわくしながら読みました。2015/07/19
メイロング
5
まさかのミステリ展開。サムのキャラ付けがアイやミイに比べてやや地味か。「首実検」なんて言葉がさらりと出るアイのボキャブラリーはすごいなあ。冒頭の夜とかネズミ横町などの描写があっさりめなのは児童書の宿命? リミッター解除のディレクターズカット版が読みたくなりました。2014/04/02
保山ひャン
4
夜の動物園で光るライト。探偵団めく冒険は、戦後のどさくさの時代に鍵があった。復員さん、ブラジルさん、金持ちの三人に何があったのか。この作品のドラマ化のとき、主題歌を歌ってたのが宍戸留美ちゃんでした。物語はけっこうしっかりしたミステリで驚いた。2017/03/02