出版社内容情報
小伝馬町牢屋敷の同心、大賀弥四郎は、罪を憎んで人を憎まずをモットーとするお人好し。牢名主の長兵衛と共に事件の真実を突き止めていく――弱き者のために立ち上がる鉄火肌の男たちを描く新シリーズ!
内容説明
小伝馬町の牢屋同心、大賀弥四郎のモットーは罪を憎んで人を憎まず―丸い顔にげじげじ眉毛と団子鼻。不浄役人と蔑まれながらも、その面倒見の良さで囚人からも慕われている。濡れ衣を着せられて入獄した茂平の無実を信じ、牢名主の長兵衛とともに、真相究明に乗り出す。不器用ながらも、正義感にあつく、居合の達人。市井の人々の喜怒哀楽に寄り添おうと奮闘する鉄火肌の男の生きざまを描く、胸すく時代小説!
著者等紹介
早見俊[ハヤミシュン]
1961年岐阜県岐阜市生まれ。会社員を続けながら作家活動を行っていたが、2007年、専業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
108
小伝馬町牢日誌[お帰り稲荷]1巻。牢屋同心大賀弥四郎さん、ちょっとおとぼけ感がありますがときより見せる裏の顔が凄いですね。牢屋同心が牢名主とコンビを組んで町方同心のような活躍面白い設定で楽しく読む事が出来ました良いですね。2016/11/13
マカロニ マカロン
11
個人の感想です:B。明日(2022/4/9)聖地巡礼「江戸市中引き回しの上、磔」コースを歩くので、関連本。小伝馬町牢獄の牢役人が囚人の無実の罪を晴らしていくというストーリー。判決が出るまでは推定無罪という現代と違って、江戸時代は被疑者=有罪という判断で、牢内でのリンチや取り調べ時の拷問が普通だったのだが、本書では民主的な牢名主、被疑者に同情する牢役人と相当マイルドな設定。「お帰り稲荷」が実際にあったのかは不明だが、「伊勢屋、稲荷、犬のク●」と言われたぐらい稲荷だらけの江戸なので、あっても不思議はないか?2022/04/08
Suzu
4
お初の作家さん。牢屋同心の大賀弥四郎は、お人好しのやっさんと言われ慕われている。普段はすっとぼけた雰囲気だが居合の達人でもある。素性がよく分からない浪人薄田主水助、元大盗人の牢名主長兵衛も話を盛り上げる。かみさんは亡くなり一人で3人の子供を育てている。大概こういうパターンって行きつけの飲み屋の女将さんが密かに惚れてるなんて設定だったりするが弥四郎はそういったイイ男タイプではないみたいなので、それもまた良し。そして次巻に進む。2017/12/26
nyaboko
4
お人好しの牢屋同心が、無実の罪を着せられた罪人や、友人の背負った事情に手を貸す話。主人公以上に牢名主がいい人過ぎる気がするが、そこはそれ、お話の都合である。全体的に非常に面白かった。1話目のラストから2話目にかけてハラハラしたし、4話でようやく主人公の「お人好し」の面が前面に出てよかった。好みのテイストなので続刊が出たら買うつもり。2014/01/25
goodchoice
2
牢屋同心という一風変わった主人公に、人情味たっぷりというキャラクターを与え、意外な脇役を揃えたなかなかの出来栄えであった。結構好きな設定です。さすが早見俊!2014/02/02