出版社内容情報
19歳になったキキ。あいかわらずそばには、相棒の黒猫ジジ。そんなジジにもヌヌとの素敵な出会いがありました。そして…長かったとんぼさんとの関係も大きく動き…。キキの新たな旅立ちの物語。
内容説明
花の季節を迎えたコリコの町。19歳になったキキは、十代最後の年、二十代に繋がる何か…予感みたいなものがないかしら…と思いながら、日々を過ごしている。相変わらず、とんぼさんとの文通は続いており、直接会えないことにちょっぴり不満。そんな折、ずっと相棒だと思っていたジジにも、小さい白い猫の恋人ができる。だんだんとひとりで届け物に出かけることが多くなったキキは、初めての経験に不安が募るが…。
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
東京生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。25歳からのブラジル滞在の体験を描いた『ルイジンニョ少年ブラジルをたずねて』で作家デビュー。以来、第一線で活躍する。1982年『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、84年『わたしのママはしずかさん』で路傍の石文学賞、『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞、『おはいんなさいえりまきに』で産経児童出版文化賞、85年『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など多数受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
89
魔女の宅急便、もうじき二十歳を迎えます。この町で積みかさねた日々が大人になるための階段、新米魔女のスープに不安と勇気を思い出して、六月の空に舞うベールにあのひとを思い浮かべる。変わっていくのは、自分だけじゃない。誰よりも近くで、いつだっていっしょで、何もかもわかりあえてると思ってたのに、心がどんどん遠ざかっていくようで。それでも、空を高く飛べない時には町をいつもより近くから眺めて、何度しぼんでもまたふくらんでいく月を見上げていよう。ふたりで。春が来る、あなたに会える、まんまるい月がいつでも見守っている。 2014/10/19
のっち♬
86
「ものたりない」「だって、わたしのまわりの空気、ぜんぜん動かないんだもの」遠距離恋愛でとんぼと満足に逢えず、ジジとの会話も拙くなり魔力も落ち込むキキ。気持ちはすべり、胸中は暴れ、理不尽な扱いなどで内面は荒れていく。「わたしの世界がね、かるい病気にかかってしまったみたいなの」十代の女性が抱えるやる気と不安、生きることの喜びと哀しみなど様々な対比を描いてきたが、ここでそれは結実する。誰もが時には気持ちをとまり木に止めてうつらうつら。しかし、月が必ず満ちるようにそこから旅立ちの時は来る、大きな満月に見守られて。2020/02/25
白きゅま
74
箒が休暇を取って、思い通りに飛べなかったり、ジジの話す言葉が聞こえなかったりと映画のエピソードが詰まったシリーズ第5弾。13歳で独り立ちしたキキもいよいよ二十歳を迎えることになり、大人の女性へと成長して行きます!二十歳の誕生日を迎えた朝に朝日を見に行くシーンは、まるで映画「耳をすませば」のシーンを思い出しました(^^)/いよいよ次巻が最終巻、どんな結末が待っているのか、非常に楽しみです!2014/02/11
優希
73
キキも10代最後になり、20歳に手が届こうとしています。新米魔女との出会いやジジとの関係の変化がキキを大きく成長させているような気がしました。とんぼとは相変わらず連絡を取りつつも会えないでいるのはやっぱり不満ですよね。ジジにも恋人ができたのが微笑ましいところです。ただ、そのために一人で届け物をするキキを想像すると寂しく感じます。とはいえ、新たな道へと歩み始めているのも確かです。2019/03/20
いおむ
61
読後感サイコー!の幸せな巻です。冒頭で19歳のキキ。そう!19!それだけで感慨深い。後輩魔女が出てきてお姉さんになったりジジが魔女猫語を話せなくなったり、ほうきで上手く飛べなくなったり。切ない遠距離恋愛やサヤオの出現!(笑)それらがス~とおちつくところにおちついてラストでまんまるくなる。キキが落ち葉に埋もれて森の中で横になり空を見ている場面は最高に好きです。2017/05/14
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- 和書
- 豪雨の前兆 文春文庫