出版社内容情報
日本を壊滅寸前にした震災から4年後、刑事崩れのヤクザ巽は不思議な少年・丈太と出会う。彼の出生の謎、消える子供達、財宝伝説??全ての答えが禁断の地お台場にあると知った二人は潜入を試みるが??!?
内容説明
日本を壊滅寸前にした大震災から4年後、刑事くずれのアウトロー巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年・丈太と出会う。謎に包まれた彼の出自は、近年起こっている「震災ストリートチルドレン」たちの失踪と関連しているらしい。丑寅は元上司の鴻池みどりと協力し、子供たちの行方を追う。やがて、手がかりが震災で封鎖されたお台場にあることを知った丑寅は、丈太と潜入を試みるが―驚天動地の近未来「本格」アクション!!第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞。
著者等紹介
伊与原新[イヨハラシン]
1972年大阪府生まれ。神戸大学理学部卒、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。2008年より小説執筆を開始し、第55回、56回の江戸川乱歩賞最終候補を経て2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
73
なぜか読んでる伊予原作品。ありえたかもしれない日本の物語。国籍って難しいんですね。血統主義って!何様?しかし日本で生地主義というのも難しいのか?よって立つ拠り所としての国籍は必要なのかもしれませんが、せっかく生まれて『日本』にいるのにいないことになるって悲しい。巽の死が丈太の生きる支えになればいいなぁ。ちょっと長いし、そんな理由?と思う場面もありましたが、結構楽しめました。作者お得意の博士があんまり活躍しなかったのがもったいない。2017/10/18
ぶんこ
54
東京を震源地とした大地震で、お台場や東京湾岸沿いの埋立地が壊滅的な被害を受けてから4年。廃墟となって荒廃する街と人々。国籍を持たないストレートチルドレン。その子たちをくいものにする大人。諸悪の根源ともいうべき政治家。苦手な小説ですが、丈太君9歳の行く末が気になって最後まで読んでしまいました。同じ年頃の一人っ子俊君を亡くした元警察官巽丑寅が、丈太君を護るために奮闘。巽の元上司のみどりも、4年前に助けなかった子どもたちへの自責の念から奮闘します。巽の最期は、先に逝った息子の元へと続く道だったと思う。2021/07/26
mihya
44
第二次世界恐慌後、東京湾を直下型地震が襲う。壊滅的な被害を受けた東京で、元刑事でヤクザ巽が消えた震災ストリートチルドレンを追うことに。 伊与原さんのデビュー作。ハードボイルド風で、力が入ってるのが伝わってくる。ってかちょっと力みすぎな感じ…?設定は面白いし、興味深い内容もあった。巽や丈太より周りの人の方が魅力的に感じた。2025/03/06
カブ
36
伊予原新のデビュー作。読みたかったのとちょっと違った。残念。2025/03/18
ぜんこう
31
伊与原さんのデビュー作(と解説で知る)。近未来の直下地震後の東京が舞台(本書は東日本大震災の前に書かれてます)。伊与原さんにしては理系うんちくがほとんど無し。登場する”ロマン派”の地震学者くらい。元刑事のアウトローおやじが主人公の映像化しても面白いかもしれないくらい。個人的には理系や科学多めが好きですが、これはこれで面白かったです。2021/09/11