出版社内容情報
猫の魔力に永遠の虜になる小説家、詩人、児童作家など様々な人達が、猫の魅力を描く。いつも自分に寄り添ってくれた愛猫や、十二支の中になぜ猫がいないのかなど、語り口も様々。浅田次郎、北原白秋、豊島與志雄、坪田譲治ほか。
浅田 次郎[アサダ ジロウ]
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日本ペンクラブ[ニホンペンクラブ]
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内容説明
辛いときにいつも自分に寄りそってくれた愛猫が、いつの間にか姿を消してしまう…胸に響く浅田次郎の「たみこ」をはじめ、翻訳家・豊島與志雄が十二支の中に、なぜ猫がいないのかを童話的に描いた「山猫ルル」、画家・有島生馬の猫と暮らした日々を綴った随筆「猫」など、小説家、詩人、児童文学作家、落語家、随筆家、画家、民俗学者までが、猫の魅力を語り尽くす。ここでしか読めない短編を30篇以上収録した幻の一冊。
目次
たみこ(浅田次郎)
ポスト(浅田次郎)
キャラとトモコ(浅田次郎)
紺屋のおろく(北原白秋)
猫(鈴木文史朗)
よちよち小猫(松田いせ路)
猫(串田孫一)
山猫ルル(豊島與志雄)
猫のアパート(阿部真之助)
川舟の母と子(酒井朝彦)〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
271
猫に関する様々な文章が、24名に依ってどどんと34編。……34編としたけど、更にショートショートにも満たない様な物が細分化されて載っていたり、小林一茶に至っては、当然の如くなのかも知れないけど、俳句が何句も詠まれていてね。猫の恋がめちゃ多いよ。だから何編って数え上げられないや。内容も多岐に渡って、短編小説、エッセイ、童話、俳句、落語、その他分類不能(?)な物まで。恐らく、ここで纏めておかないと、埋もれて泡沫の彼方へ消えてしまいそうな。単純な娯楽向けだけでは無いのかも。解説も必読。中でも獄中記迄も‼︎2024/06/22
ケイ
101
テーマは猫で浅田次郎が選んだ短編。よく知らない作家さんの、ツウな話も多く、かわいい猫の話を期待すると少し違う。味わい深い話も多いが、やはり私は浅田氏自身の書いた三編が、どれもわずか1ページだが、心に染み入ってくる。ネコの名前がタイトルになっているのもいい。失ったものへの愛や、ネコに対する思いやりが深く感じられる。最後のネコ辞典も、なかなか読みごたえがあった。2015/06/20
KAZOO
99
猫に関する短篇集です。すべて日本人作家で、小林一茶、北原白秋から編者の浅田次郎さんまで様々な猫に関する話です。ネコ好きにとってはたまらない本だと思います。私は犬派ですが猫も嫌いではないので読んでいて、くすっと笑わせるものやジーンとくるものなどあって楽しめました。2015/07/26
ちょろんこ*勉強のため休止中
76
うちの猫は私が帰宅すると。いつも玄関で三つ指をついて待っている(=ΦエΦ=)だから私は猫が大好き(#^.^#)この本はさすがの浅田次郎さんセレクトだなあ。あまり知られていない古いエッセイや小林一茶の俳句、落語まで収められたヒットな一冊だった(^^♪中でもアナーキスト古田大次郎のはよかった!強盗殺人で死刑になった人らしいが、クロを思う静謐で美しく温かい文章には胸を打たれた。ふいに涙がこぼれた。この人の手記は大ベストセラーになったらしい。私も全部読んでみたい。猫は本当に物語性のある生き物だなあ( ^∀^)2014/01/08
ぶんこ
60
表紙のイメージとは少し離れていると感じました。 薄い文庫ですが、読みでがあり、また1編1ぺんに味わいがあって読み飛ばす事ができませんでした。 エッセイだけではなく、小説、句、落語等々猫にまつわる数々。 特に好きになったのが酒井朝彦さんの「川舟の母と子」でした。 私も川舟生活に憧れを持っていた中学生時代を思い出しました。学校の窓から生活感漂う川舟を見るのが楽しみでした。 この親子の言葉使いの美しい事にも感嘆しました。 面白かったのが石田孫次郎さんの「猫辞典」。ただ目一杯詰め込んでいるので、やや読み辛いです。2015/03/08