出版社内容情報
生も死も無くなった世界で、死にながら生き続ける者たちに、本当の死を与えることができる「墓守」の少女アイ。終わりゆく世界でアイが経験する出会いと別れ――「世界の終わりを守る少女」の奇跡の物語。
内容説明
15年前、その日から人は死ななくなり、子どもは生まれなくなった―突如として、生も死も無くなった世界で、死にながらも生き続ける者たちに、穏やかに“本当の死”を与えることができる唯一の存在“墓守”。そんな墓守の少女アイは、死に囲まれた日常の中、やさしい光を放つ小さな奇跡であった。終わりゆく世界でアイが経験する出会いと別れ、そして運命―発表後各方面から絶賛された“世界の終わりを守る少女”の感動の物語。
著者等紹介
入江君人[イリエキミヒト]
第21回ファンタジア大賞“大賞”受賞作『神さまのいない日曜日』でデビュー。同シリーズが大きな支持を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らじこ
45
死ななくなった人間たちを唯一眠らせることができる墓守として生きてきたアイ。ハンプニーによって日常が壊されたところから、わたしは混乱に陥った。彼の行動言動が支離滅裂なのだ。文章もライトノベルすぎて好みではないし、がっかりとも思った。だけど、父娘っていいものだなあ。アイをおんぶして走るシーンからこの2人が好きになってしまったからこそ。最後にこの世界の墓守とは、なんて孤独で切ない存在なのかと気がついた。死んでない人を死なせなくてはならないことはなんて寂しくてつらいんだろう。ハンプニーに側にいて欲しかった。2016/09/17
Yobata
36
ファンタジア文庫で既読済みなので再読。“墓守”アイの物語。結構序盤にアンナやヨーキは亡くなっちゃうんだったねw死者が幸せに過ごせる村,死者の村だったアイの村にやってきたハンプニー。正しさ以外を許容せず死者を殺したハンプニーは正しいけれど哀しい優しさだな。アイはまだハンプニーに着いて行くだけで自分について思い悩んでない面倒臭くない頃だったねwでも自分の決めたことは決して曲げないアイ節は炸裂してたなwでもハンプニーが亡くなる所はやはり泣けるな…2014/10/26
いりあ
29
今月からTVアニメもスタートする"神さまのいない日曜日"の角川文庫版です。現在も富士見ファンタジア文庫で続いているのですが、こちらはライトノベルに抵抗がある人用ってことで、あちらの表紙とはかなり趣を異にしています。神様がいなくなってしまい、人が死ぬことのなくなった世界で、死者と生者を見守る墓守の少女アイと旅人ハンプニー・ハンバートの物語です。読みにくさはないですが、主人公のアイの性格がちょっと残念な感じです。全体に支離滅裂な感じといえばいいでしょうか。色々な物事に対して、直感に頼りすぎな気がしました。2013/07/07
リッツ
16
ファンタジーという分野がここ数年苦手でパスしてきたが墓守の少女というキーワードに妙に心惹かれ…的中!胸が震えっぱなしでした。自分に降り注がれる愛情に後ろ暗さを嗅ぎ取りながらも優しさや温もりを求め、それを奪った憎むべき男にも心を寄せてしまう主人公、けれど決して弱いわけではない、愛も嘘も生も死も受け止め泣きながら立ち上がり自分の道を見つける。失い、出会い、別れ、何度も傷つきながら成長した少女の旅、次も是非!2013/09/25
ぐっちー
16
神様に捨てられ、荒廃した狂った世界(未来の地球?)を舞台にしたダークファンタジー。元々ラノベだったそうで、まぁ、そういうノリの文章です。そういう免疫力落ちてるのか、中盤はかなりイラっとしましたが軽い文体に反してヘビーな内容。目のつけどころは良いんだけど、いかんせん一冊分の分量としてはペラい。1章分!?せっかくラノベのレーベルから移したならいっそリライトして全体に肉厚にしても良かったのでは?でも帯にもなってるセリフはばっちりでした。2013/06/26