出版社内容情報
雫井 脩介[シズクイ シュウスケ]
著・文・その他
内容説明
パティシエールの君川小麦は、自身の身体に重い秘密を抱えたまま、故郷・北伊豆で家族とケーキ屋を開いた。しかし、甥の吐夢からは「ここは流行らないよ」と謎の一言。その通り、店は瞬く間に行き詰まってしまう。力尽きた彼女に新たな勇気を吹きこんだのは、吐夢と、彼にしか見えない天使の“レイ”だった…。小麦のひたむきな再起を見届けたとき、読み手の心にも“見えない翼”が舞い降りる。感涙必至の家族小説。
著者等紹介
雫井脩介[シズクイシュウスケ]
1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』でデビュー。05年『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞し、同書はベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
149
セリフもないのに天使レイの存在感が圧倒的に大きい。物理的に存在していようがいまいがどうでも良い。そこにいると信じられる気持ちが大切。2015/08/09
とん大西
120
…いいです。大切な人の体温を感じるようなぬくもり。叶夢のそばには天使レイがいつもいた。病と闘う小麦はつねにケーキづくりへ情熱を注いでいた。代二郎と道江は息子叶夢を優しく見守り、妹小麦の心と体を支えた。天使レイが羽ばたく。生命の息吹に歓喜し、魂を天国に導く。叶夢が羽ばたく。自分の殻を破り、家族に希望の灯をともす。パティシエ小麦も羽ばたく。震えつつも瞳を輝かせながら羽ばたく。健気に生きる彼らのつばさものがたり。もうね…後半は涙腺崩壊でした。この物語の優しいオーラがしみてきます。ホント、天使がいるような。2018/07/20
しんたろー
107
心優しい好い人たちが真面目に生きている姿と見えない天使の存在がミックスされ て、とても清らかな気持ちになる作品だった。特に、主人公・小麦の健気に頑張る姿は無条件で応援できるし、前向きな姿勢が素敵で、「元気になって欲しい」と本気で思った。何度か涙ぐんだ哀しい話だが、温かい気持ちにもなれる、不思議な作品だった・・・これも天使のなせる技?欲を言えば、エピローグでその後の皆を描いてあれば読後感がグッと良くなるような気がした。2016/12/26
あつひめ
91
単行本を以前に読んで今回は文庫で。どうしてこんなに努力できるんだろうと小麦の頑張りが時には痛々しく感じたり。人には見えないけれどそこにある物や者ってたくさんあるんだろうな…と自分の身の回りを眺める。出てくる人たちみんなが心が優しい。お互いの存在を大切にしてるのが感じ取れて私まで胸が温かくなる。こんな温かい思いにせっかく触れたのだから日常でも活かしたくなる。生まれた時と死ぬ時は人は一人だけど、生きているときはいつも誰かと支え合う。そうすれば寂しくないから。小麦は生きた証を残せたんだな。2017/05/11
アポロ
76
めっちゃ泣いた!読んでて思わずケーキ買っちゃった!道恵を含め君川家、みんな良い人!叶夢かと代二郎の関係が微笑ましい!2019/03/14
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