出版社内容情報
警察小説の旗手による、新たな刑事・澤村シリーズ!10年前の連続殺人事件を模倣した、新たな殺人事件。県警を嘲笑うかのような犯人の予想外の一手。県警捜査一課の澤村は、上司と激しく対立し孤立を深める中、単身犯人像に迫っていくが……。
堂場 瞬一[ドウバ シュンイチ]
著・文・その他
内容説明
10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった―。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
205
トラウマを抱えた一匹狼(ただし、彼の味方?ファン?は多い)刑事が主人公。犯人をにおわす背景や会話が、要所で挿入されているので、本当の意味での犯人探しのミステリーではない。今回、私的なヒットは橋詰警部。彼のちょっとオネエ入った話口調やキャラ、そして洞察力は、これからのシリーズで大きく澤村を助けてくれるでしょう。池上冬樹さんの解説も贅沢♫2016/01/24
サム・ミイラ
137
初の堂場瞬一作品。解説にもあるように海外ミステリーの雰囲気はある。日本では珍しい劇場型連続殺人事件の捜査をメインにしたいわば米国などでは王道のストーリー。主人公の過去のトラウマがもうひとつの柱となっているのが目をひく。相棒となるプロファイラー橋詰分析官の魅力も主役同様やや乏しく全体としていまひとつな印象。そこがもったいない。他のシリーズは面白いのだろうか。ちゃんと読んで判断したいと思う。2015/01/04
じいじ
84
これぞ<警察小説>だ、と言える作品だ。主人公は、37歳気骨のある刑事澤村。相棒は28歳の澤村刑事にズバズバ物言う女刑事永沢初美。破天荒でやる気満々の澤村をじっと陰で支える上司の捜査一課長谷口の存在がいい味を出している。常々、堂場瞬一という作家は、登場人物の心うちの表現が上手い、と思っていたが、本作ではそれをより強く感じた。10年前の未解決事件を真似た三つの連続殺人事件を追うストーリーも、中盤以降がぜん面白さに拍車が加わる展開もいい。この刑事澤村シリーズ、第2弾「歪」3弾「執着」が既刊なので楽しみである。2015/12/16
となりのトウシロウ
78
澤村慶司シリーズ第1弾。連続殺人事件を追う県警本部捜査一課の澤村が主人公のお話。その澤村のキャラがいわゆるはみ出しデカという感じ。過去の事件捜査がトラウマになっていてその贖罪のために最高の刑事になる事を自らに課しているという設定。そのためには上司にも楯突く、それにより捜査本部から外される。しかし、これ幸いと有休を取って、単独行動で犯人を追い詰めていく。キャラ立ち過ぎなんじゃないと思ってしまいます。プロファイラーの橋詰も凄いキャラだし・・・。このシリーズ、もう少し追いかけてみます。2023/04/05
ゲバオ
64
「人間らしく生きるよりも刑事の仕事のほうが面白い」澤村慶司シリーズ1作目。澤村はすこーーーしだけ鳴沢臭が漂いましたね。 捜査一課ってことなんで、他シリーズのキャラの登場を期待してたら全然出てこない。途中で警視庁じゃなくて県警だってことに気付いた苦笑。 なんか他の堂場作品とちょっと雰囲気が違った。堂場作品ではあまり見かけない愉快犯だし 犯人に辿り着くまで捜査ってより推理をしている。 あと、随所で犯人視点での描写が入るのも話を盛り上げてくれた。 面白かったんでこれもシリーズを追っかけてみよう。2017/08/16
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