出版社内容情報
日本経済をリードした第4権力は、こうして自浄力を失った! 力作長編。圏外と目されていた宇野は東経産新聞の社長に就任するやワンマン化し、役員たち周囲のゴマすりが社の腐敗を進行させる。子会社の手形流出という事態に、自浄力を示そうと立ち上がる記者。マスコミ界に迫る長編。
高杉 良[タカスギ リョウ]
著・文・その他
内容説明
ワンマン社長の独裁体制のもと、全国紙・東京経済産業新聞社は混迷を深めていた。ついには子会社の手形流出という仰天の事態が発生。架空発注で手形を乱発し裏金作りにあてていたのだ。バブル経済を煽ったとの批判を受けつつも、日本経済の発展を支えた誇りまでかなぐり捨てるのか?心ある新聞記者たちの、醜聞にまみれた経営陣との闘いが始まる!マスコミ経営の内実を暴き、報道の倫理と責任を鋭く問う、経済小説の真骨頂。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
作家。1939年東京生まれ。専門紙記者・編集長を経て、75年『虚構の城』でデビュー。以後、綿密な取材に裏打ちされた企業・経済小説を次々に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
11
脚色はあるにせよ、実話を下敷きに日経のワンマン社長の暴走とそれを止められない経営陣を描く下巻は一気読み。腐った実態にびっくり。長期間、権力を持つと周りが見えなくなり、正しい判断が出来なくなる。そんなお手本のような内容。2016/11/13
あや
6
下巻は新聞社の内部告発に終始しており、一気に読めました。モデルとなった実話があるということ自体が驚きで、大企業の中で解雇されてまで、信念を持って会社を正そうとしている真摯さに心打たれました。言ったモノ負けだと悲観的になっていた今日この頃ですが、沈黙も罪だということで、、日頃から発言に説得力を持たせる行動の必要性を感じる一冊になりました。2013/01/04
コロンボ
4
日経新聞をモデルにした企業小説の下巻。宇野社長のワンマン体制となった東経産の暴走、会社の私物化とそれを止められない経営層を描いている。物語は社長室に異動した倉本が、東経産の子会社発行の巨額手形が市中に流出、粉飾決算の可能性があるという仰天情報を得て、社内で奔走する姿が描かれている。果たして、暴走する宇野社長や経営層を止めることができるのか、会社のために倉本や萩原が解雇を覚悟しながらも、信念をもって正そうとする真摯な姿に拍手を送りたい。2022/03/14
Mark X Japan
3
驕る平家久しからず。日本の第四権力の腐敗が良く分かります。自浄能力が極めて低く、社会の公器の資格の無さが際立ってます。マスコミがマスゴミと言われる理由の一つです。最近も、消費税増税大歓迎だったり、常人の理解できない業界です。☆:4.02012/08/16
matsu04
2
日経記者が主人公の経済小説。2012/06/20