角川文庫
人物破壊―誰が小沢一郎を殺すのか?

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041002582
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0131

出版社内容情報

「陸山会」公判の背後に、戦後日本が抱え続ける闇の構図を暴き出す問題書!

日本取材30年以上のオランダ人ジャーナリストが、「小沢一郎」問題の背後に浮かび上がる”非公式権力”と、その支配の構図に斬り込む。小沢氏自身が公判で引用した問題書が、7月の公開対談を収録して文庫化!

内容説明

「人物破壊」というキーワードから、政治家・小沢一郎を巡る騒動の背景に国家を支配する非公式権力の姿が浮かび上がる。検察とマスコミによる異分子の抹殺、民主主義を揺るがす日本型スキャンダルの罪、戦後日米関係を左右する密約の正体とは?日本の権力構造を見つめ続けるオランダ人ジャーナリストが「画策者なき陰謀」の正体を喝破した問題書。改題し、小沢一郎と著者の公開対談、震災後を論じた序文を新たに収録。

目次

第1章 「人物破壊」にさらされる小沢一郎
第2章 霞が関というシステムの起源
第3章 日本型スキャンダルの残酷と混沌
第4章 “政治的現実”と日本のメディア
第5章 戦後日米関係という病理
終章 国家主権、オザワ、システムの欺瞞

著者等紹介

ウォルフレン,カレル・ヴァン[ウォルフレン,カレルヴァン][Wolferen,Karel van]
ジャーナリスト、アムステルダム大学名誉教授。1941年、オランダ・ロッテルダム生まれ。72年よりオランダ「NRCハンデルスブラット」紙の東アジア特派員、82年より日本外国特派員協会会長を務め、「フォーリン・アフェアーズ」誌、「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙などに寄稿している

井上実[イノウエミノリ]
翻訳家(英語・中国語)。早稲田大学法学部卒。英字新聞記者を経て中国留学。その後、大連大学東北史研究センター研究員となり、中国東北地域の現代史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

11
真の政治家は日本にいないか? の痛烈な疑問(4頁)。また逆戻りの政治に何の希望ももてないのが実態。政治とカネの問題は、またか、ということの繰り返しで、低投票率という政治不信が根深いのだ。ある特定個人を集団や組織が潰してしまう、恐ろしいいじめが横行する社会が、日本だったらたまらない。世間の評判を落とす人物破壊(35頁)。仕組まれた罠である。悍ましい。「日本の官僚たちの間では、自分の目的を達成するために、法律のなかから適切なものを選び出すという習慣が長いこと続いてきた」(69頁)。自己保身の無謬。日本相対化。2013/05/10

くにお

3
孫崎享氏がツイッターでウォルフレン氏を紹介していたので読んでみた。「出る杭は打たれる」という言い回しがあるが、まさかそれが日本を動かす仕組みに組み込まれているとは。。。ホラー小説のような題名だが、内容もある意味ホラーだった。このままでは日本はアメリカに飼い殺しにされるんじゃなかろうか。ところで、「秩序を保つための非公式なシステムが出来上がっており、誰か特定の人物の意図と関係なくものごとが処理されていく」という図式は、伊坂幸太郎の「モダンタイムス」で書かれたモチーフと似ているなと思った。2013/06/11

Holger

2
今まで自分が正しいだろうと思っていた見方や、価値観が強く揺さぶられることを読書に期待しているが、この本は期待以上の内容だった。国策捜査や、特定個人を執拗に攻撃し社会的に抹殺しようとするマスコミについて伝えられる情報は少ないが、「この国はおかしい」と薄々感じている人は少なくないと思う。著者は私が何となく、うすぼんやりと抱いていたこの国への不安を明文化している。日本は米国追従の政策を続けていると、将来的に破滅するだろう、という読後の焦燥感は是非多くの人に味わってもらいたい。2012/08/06

アノマリー

1
☆終章の結論は多少異論があるが、その他は同意。検察、メディアの人物破壊のメカニズムは小沢氏だけでなくさまざまなところに散見される。厳密に言うと小沢擁護だが、きわめてニュートラルな立場で書いている。冷静に物事をとらえるためのたいへん有意義な本。2012/10/30

M

1
「日本におけるスキャンダルの役割」など、日本のTVにどっぷり使っていると気付けない視点に気付くことが出来る一冊。 新聞の社説で「無罪でも非がないはずがない」と書かれる小沢氏。この理屈が通るのならば、世の中の全ての人を陥れることが出来るのだろう。 ただ、それが今の検察、日本なのだと再認識させられる。 インタビューの小沢氏自身の言葉、p.206辺りで「現地にお見舞いに歩くのが政治家の仕事なのか」「国を挙げて原子力発電を推進してきたことも事実」という認識を率直に口に出せる政治家を、殺しては行けないと強く感じた。2012/08/11

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