角川文庫<br> ローマ帽子の秘密

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角川文庫
ローマ帽子の秘密

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041002568
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

無敵の天才探偵エラリー・クイーン、華麗に登場!

観客でごったがえすブロードウェイのローマ劇場で非常事態が発生。劇の進行中に、NYきっての悪徳弁護士と噂される人物が、毒殺されたのだ。名探偵エラリー・クイーンの新たな一面が見られる決定的新訳!

内容説明

ブロードウェイのローマ劇場で異常事態が発生。劇の進行中に、ほぼ満席状態の観客席から男の毒殺死体が発見されたのだ。騒然とする劇場に颯爽と現れたのは市警きっての名捜査官リチャード・クイーン警視。そしてその息子で、推理作家にして天才探偵のエラリー・クイーン。劇場から忽然と消え失せた被害者のシルクハットの謎を追う!ミステリ史に残る大傑作“国名シリーズ”が、新しいエラリー像と決定的訳出で華麗に開幕。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

452
割合ハッキリ内容を覚えていたので、ずっと積んでいたものを、我慢出来なくなって読んだ。こんなに面白かったっけ?というくらい楽しめた。フーダニットの切れ味は、まだそこまでではないものの、解決編までの、容疑者にあたっていく過程に起伏があり、これぞ本格!な香りが濃厚。訳がいいからだろうか。解説にあるように、デビュー作にしてはずいぶんエラリーの影が薄く、リチャード警視推しになっているのは、ファンの賛否が別れそう。あと、犯人に意外性はあっても、事件自体は不可思議さがなく地味な部類。そういった面では風味が足りないかも。2018/06/19

nobby

142
国名シリーズ①帽子...帽子ー帽子ー帽子!被害者の元から消えたシルクハットが全てを握るのは「だれがモンティ・フィールドを殺したのか?」冒頭の《主な登場人物》30人以上や劇場見取図にビビりワクワクしながら2人のQの活躍を満喫♬思わせ振りなレーンと違い推理を勿体ぶらず事件を追っていく展開がいい(笑)元々〈読者への挑戦〉に挑むつもりのない自分は、意外な犯人やロジカル満載な真相解明を素直に楽しんだ!22個と細かく分けられた章のト書きの様なタイトルが分かりやすい。ほのぼの愛情溢れる親子コンビの続けての活躍が楽しみ!2022/12/15

エピファネイア

94
クイーンの国名シリーズは未読。第一作にして最も著名な本作を手にした。角川文庫版を選択したが正解だったようだ。「読者への挑戦」をうたう場合、犯人を特定するための情報が網羅的に提供されている必要があるが、そのためには翻訳者が随所に散りばめられたヒントを正しく理解しクイーンの意図どおりに正確に翻訳することが重要である。本書の解説の方によると過去の翻訳ではそれができていないケースが見受けられたとのこと。翻訳者の気苦労は並大抵ではなさそう。挑戦を受けて立つ気はないので演繹法によるエラリーの見事な推理を堪能して読了。2023/04/03

周到&執拗

88
新訳版で再読。色々と懐かしかった。ただ解説者のフェアプレイ論は妄言。オッドメント(目次など)や探偵役不在場面を除き、探偵役と読者は同等な立場のはずである。むしろ被害者の悪評を先刻承知なエラリーが“帽子がないのは変”と考えるほうが不自然で(悪党の他殺体から何かが奪われている事案は珍しくない)、帽子がないのは変→計画性なし→犯人は自分の…、という推理は読者目線でこそ頷けるものだ。贔屓の引き倒しはやめてほしい。せっかくの楽しい迷路遊びが、世にこれ以上の迷路なし、と屁理屈をこねる狂信者のせいで興ざめになった。2016/02/24

NAO

83
ブロードウェイのローマ劇場内で弁護士のモンティ・フィールドが毒殺された。モンティ・フィールドは悪徳弁護士で、恨んだり憎んだりしている相手なら数しれないといわれている。その被害者のポケットからは女性のハンドバッグが発見され、被害者が被っていたはずのシルクハットはどこにも見つからない。被害者は、なぜ殺されたのか。シルクハットはなぜ見つからないのか。事件よりも稀覯本の方が大事とでもいいたげなエラリーは、ツンデレなのか。とはいえ、ちゃんと父の役にたっているのだから、親孝行な息子ではある。2021/08/09

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