出版社内容情報
格調高く乱れ狂う文体で告白される、妄想と狂気の官能小説!
「我慢して栓の役目に徹底してくださいね」男は美しい妊婦から羊水が漏れないように“栓男”になることを頼まれた。桜、向日葵、秋桜、寒牡丹・・・四季を彩る花々と妖しき女たち。世にも淫靡な妄想と狂気の官能小説!
内容説明
桜吹雪の下、世にも美しい妊婦の股から生温い羊水がぬるりと漏れてゆく―。栓男に任じられた青年は、蠱惑的によどんだ水のなかで柔らかい粘膜に包まれ、至福の呻き声をあげる…。からみあう向日葵、血の色に染まる秋桜、体一面に咲く牡丹…むせるような花の下で濃厚な獣のにおいを漂わせながらまぐわう男と女。心も体も弛緩して蕩けてゆく肉の歓びを、この上なくインモラルかつエロティックに描いた官能小説の白眉。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年、愛知県豊橋市生まれ。高校を卒業後、グラフィック・デザイナーを経てフリーのコピーライターとして活躍。98年「走るジイサン」で第11回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。一作ごとに情感あふれる表現で良質な物語を紡ぎつづけている。2006年『雲を斬る』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさきち
28
少々ずれた、それでいて隠微な雰囲気に満ち溢れた恋愛短編集でそれぞれの話を読み終える毎になんだか不安な気持ちにさせられました。でもどこかで惹かれてしまうのもまた事実で足を踏み入れてみたい世界観でした。2014/04/16
チャーリー
1
何とも悩ましい物語。聖女綺譚、最後はどうなったのか・・・。2016/09/05
しゅう
1
まあまあ。B2014/07/09
Peony Bacchus
0
ファンタジーの世界か。入り込めなかった。2015/12/10
カミツレ
0
同じ作者の「珈琲屋の人々」がよかったので、こちらも読んでみた。ガラッと違うね(当たり前)。江戸川乱歩に影響されたであろう語り口で、妖しく退廃的な官能の話が4編。3話めの「待つ女の涙」が展開が多くて、クズな男を飲み込む女の官能と情念が詰まっていて、一番おもしろかった。