出版社内容情報
苦沙弥先生に飼われる一匹の猫「吾輩」が観察する人間模様。ユーモアや風刺を交え、猫に託して展開される人間社会への痛烈な批判で、漱石の名を高からしめた。今なお爽快な共感を呼ぶ漱石処女作にして代表作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
128
落語や講談を聞くようになってから読むとまったく印象が変わった。ことばが小三治さんや三三さんの声で聞こえてくる。思わずクスッと笑うところがたくさんあった。囲碁の話なんてちょっと笠碁のようじゃないか。本当の下町の住民じゃないから、荒っぽさが足りなく、その分理屈っぽくなり、それもまたいい。柳広司さんの描いた、この小説のもじりの中での結末に心が救われていたので、最後も安心した。この子はさすが先生のところの子、溺れる時まで理屈っぽいさねえ。2023/06/02
ミュポトワ@猫mode
95
お風呂で読書。表紙が変わってしまいましたが、俺が読んだ本はだいぶ古い、平成6年出版の本です。なので、俺が買ったのは小学校5年生の時ですね。そこから苦節28年。読み始めたら挫折し、またチャレンジして、を何度も繰り返し、何度も挫折し、ようやく読み終えた。長かった。感想よりもこの長い小説を最後まで読み終えたことそれだけが嬉しい。何度挫折したことか…ホント長かった…そんな大変な読書だったので、感想は読むの大変!に尽きてしまう…次はもっとちゃんと読めるようになりたい…2023/11/18
ehirano1
81
吾輩は一読者である。本書のおもしろさはまだ掴めていない・・・・・(泣)。 2016/11/05
里愛乍
63
あまりにも有名な出だしとラストだけは知っている、まともに読んだことのない名作のひとつ。ほぼ埋め尽くされている会話と会話がテンポよく進んでいき、その合間を猫がボケたり突っ込んだりで展開していく。この猫といい先生たちといい、時々目を惹く理屈を言い出すところが面白い。海水浴の件とか自殺の件とか、うまいこというなあと思って読んでいくと、そのうちだんだん冗談にしか聞こえてこなくなって見事にオトしてくださるんですけど。真面目に読んでいきたくなった文士がまたひとり増えました。2016/12/17
優希
57
何回読んでも好きだなぁと思わされます。猫が人間社会を皮肉で語るのが面白くてたまりません。諷刺とユーモアで語られているからでしょうね。気持ちいいくらいに物語は展開していくのに、最後の結末は悲しいものでした。それでも面白かったんですけどね。2023/04/11