出版社内容情報
綾辻 行人[アヤツジ ユキト]
著・文・その他
内容説明
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。
著者等紹介
綾辻行人[アヤツジユキト]
1960年京都府生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年に『十角館の殺人』で作家デビュー。これを引き金に巻き起こった「新本格ムーブメント」は、推理小説界の一大潮流となった。92年には『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。「館」シリーズを代表とする本格ミステリを書き続ける一方で、ホラー小説にも意欲的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
389
実はずっとスルーし続けてきた人気作品。囁きシリーズや『殺人鬼』を読んで、氏のホラーはイマイチ恐く感じられなかったので触手が動かなかった。ついに読み気が高まってきたので手にとってみると…上巻の印象としては、作者の良いところと悪いところがどちらも余すことなく表出しているなというところ。やや厨二的なまでの作品世界の蒼さは雰囲気あり、現象の設定の作り込み方も良い。反面、ソリッドさの欠片もない間延びした進行や引く伸ばしが非常に多く、なかなか月がかわらないので、惨劇のテンポが悪い。下巻でラッシュがかかることに期待。2024/07/02
マーム
327
待ちに待った文庫化なので、ワクワクしながら読み始めました。『呪われた三年三組』と呼ばれる夜見山北中学三年三組。その中で孤立する眼帯の少女。雰囲気は満点です。そして、それは始まりました。クラスメイトたちを次々に襲う〈厄災〉。〈死者〉とはいったい誰なのか?ホラーだから何があっても驚かない、ミステリーじゃないから何がなくても驚かない、という心持ちでページをめくる手が止まりませんでした。でも、綾辻作品ということで、どうしても下巻は解決編かと期待してしまいます(笑)。さて、どうでしょうか?下巻に続く。2011/12/11
takaC
318
下巻まで読み終えての感想:小野さんとの共著かと思った。超常現象の謎は解決していないままだから、翌年以降も「ある年」はあるのね。2012/03/29
kishikan
285
ちょっとした勢いでAnotherエピソードSを購入してしまい、そうだAnotherをまだ読んでいなかった!ということから、ブックオフにGO。まず単行本が目についたのですが、これが驚異の厚さで単行本は断念。文庫本上下を早速手に入れたのでした。ということで読み始めたら、これがなんと読みやすく面白い!米澤穂信さんのような学園ドラマ仕立てのミステリ、加えホラー的要素もあり、ハラハラドキドキ。あっという間に上巻読了。それでもまだまだ謎が多くて、全体像が掴めず。ライトでながら大作。こうなるととにかく下巻が楽しみ。2013/09/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
263
導入における26年前の事件の紹介。4月の最初から入院する主人公。波乱の幕開けを,淡々と描写している。原発性自然気胸。再発率50%。二度目。胸腔ドレナージ:「局所麻酔したうえで胸部にメスを入れ、そこから胸腔内にトロッカーカーテルという細いチューブを挿入する。チューブの一端は吸入装置につながれている。こうやって,肺と胸膜の間にたまった空気を排出しようという寸法」。夜見山北中学。七不思議。恐怖小説。推理小説。学園物。夜見山市。いないもの。榊原恒一、見崎鳴。「工房 m」。夜見のたそがれの,うつろなる蒼き瞳の。2013/09/16