出版社内容情報
悟りか、救いか――。同じ仏教でも目指す最終到達点が異なるため、対極に見えるふたつの行。それぞれの歴史と、社会、美術と芸能、政治に与えた影響を明らかにしながら、日本仏教の独自性に迫る!
◆8つの視点から徹底検証。比べてわかる日本仏教の面白さ◆
1 本家 vs. 分家
2 保守 vs. 革新
3 出家 vs. 在家
4 悟り vs. 救い
5 内向 vs. 外向
6 引算 vs. 足算
7 個人 vs. 集団
8 坐禅 vs. 念仏
内容説明
同じ仏教でも目指す最終到達点が異なるため、対極に見えるふたつの行。それぞれの歴史と、社会、美術や芸能、政治に与えた影響を明らかにしながら、日本仏教の独自性に迫る!
目次
第1章 本家vs.分家―禅と念仏の源
第2章 保守vs.革新―歴史的な変遷
第3章 出家vs.在家―実践の難易度
第4章 悟りvs.救い―宗教的ゴール
第5章 内向vs.外向―対峙する対象
第6章 引算vs.足算―文化への影響
第7章 個人vs.集団―政治への影響
第8章 坐禅vs.念仏―心理学的考察
著者等紹介
平岡聡[ヒラオカサトシ]
1960年、京都市生まれ。佛教大学文学部仏教学科卒業。同大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。ミシガン大学アジア言語文化学科留学。京都文教大学教授、京都文教学園学園長。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
千本通り
9
「禅と念仏は、いろいろな面で対照的な行だ。自力と他力、難行と易行、悟りと救いなど、比較可能な点は多々ある。しかし、歴史をさかのぼると、禅はもちろん、念仏も本来は精神を統一することに深く関与する行であり、禅と念仏とは双修(双方を修する)されることもめずらしくなかった。ところが、日本では法然を嚆矢(こうし)とする専修思想によって禅と念仏とは袂を分かち、まったく別の行として認識されるようになる。」 2024/10/15
Ujiro21
7
法要の場などで、ちょっとした違和感から興味があり読む。自己へ向かい悟りを目指す禅に対し、来世での浄土を掲げ大衆を導く念仏仏教。目指す先は同じだが、凡ゆる側面でベクトルが真逆なのが面白い。出家エリートが修行の末に体得する禅。救われぬ時代における親鸞の活動。室町幕府における仏教の取扱い。かつては欧米的歴史観で語られていた信長の宗教弾圧が史料から誤認であるなどとても興味深い。現代日本に通じる美術的価値観や歌舞伎と能にみる禅の引き算、念仏の足し算のルーツの話題もあり、馴染み深く読む手止まらず。また読もう2024/06/15
takao
2
ふむ2024/06/14