内容説明
働き方改革が叫ばれる一方で、今なお多くの労働者が低賃金、長時間労働を強いられ、命が危険にさらされている。ブラック企業被害対策弁護団の事務局長を務める著者が、低賃金、長時間労働の原因である法律とその運用の欠陥を、様々なデータや裁判例とともに明らかにする衝撃の書。
目次
第1章 悲惨な現状―世界はこんなに働いていない
第2章 穴だらけの法律
第3章 固定残業代―ただ、名前を変えているだけのインチキ
第4章 コンビニ―現代の小作農
第5章 外国人労働者―現代の奴隷労働
第6章 公務員―公営ブラック企業
第7章 自民党と財界
第8章 脱・人間使い捨て国家
著者等紹介
明石順平[アカシジュンペイ]
1984年、和歌山県生まれ、栃木県育ち。弁護士。東京都立大学法学部卒業、法政大学法科大学院修了。主に労働事件、消費者被害事件を専門に弁護を行う。ブラック企業被害対策弁護団事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本詠み人
37
産業・組織心理学Ⅰのレポート課題の参考図書として読了。著者はブラック企業問題に専門的に取り組む“ブラック企業被害対策弁護団”の事務局長を務める労働者側の弁護士。…と、わざわざ書いたのは企業側の士業の人について(公認心理師も含む)(中にはちゃんとした人も居るだろうが)あまり当てにしない方がいいという記載があちこちにあったから。「安くて便利」は「低賃金・長時間労働」で支えられている現実がある。私たちは今、そんな世の中でいいのかと問われているのだ。◎2023/07/02
sayan
32
経団連はアベノミクスをデフレ脱却に向けて力強い推進力と評した。しかし物価は急上昇するも、名目賃金は伸びず、実質賃金は急激に下がり、消費は落ち込んだと評する著者に賛同する市井の人は多い。著者はこの状況を下支えする長時間労働を中心に不合理な労働形態を取り上げる。長時間労働は家族のために尽くす有り様と分析した別書にハッとし、それは本著の「自由意志をきわめて強く拘束する残業要請」に通ずると大きな納得感を得た。また、固定残業代の実態、人材派遣事業会社数の他国比は非常に示唆的な内容だった。政治とカネにもふれ興味深い。2020/03/08
moonlight
29
ごく一部の経営者たちの幸福のために大部分の者たちは過酷な労働に駆り立てられている日本の現状。コンビニオーナーの悲劇は衝撃。巧みに残業代をカットしようとする企業にとって便利な法改正の結果でもあるが、労働者も「そういうもの」という思い込みは禁物。低賃金で仕事をして寝るだけの生活で消費は伸びず景気がよくなるわけがない。自分も身につまされることが多い。まずは給与に反映されていない仕事を記録してみよう。(コロナで仕事激減のためパート職員自宅待機1週間更に延長だけど)2020/04/04
こも 旧柏バカ一代
24
日本は労働者を使い捨てる人間使い捨て国家である。コレは終戦から自民党政治が続く限り悪くなる事はあるが、良くなる事はあり得ない。最近では被害者を外国人実習生と留学生を借金で縛りキツいコンビニ店舗、農作業などをさせている。 留学先の専門学校は少子化によって減った生徒を確保、人手不足の職場では人出確保、天下のいる会社は便宜を図って留学生、実習生を集める。やってる事は従軍慰安婦と根本的には同じだと思ってる。コレらを是正する為には経団連の言いなりの自民党から政権を交代をするしかない。 2019/12/21
きゅうり
15
輸出が主な大企業に都合よく政治が動かされてる、まさに人間使い捨て国家。労働者が消費もしてるんだぞ! 金持ちや政治家は日本の貧困層が滅んでも別にいいとさえ思ってるんじゃないか。悔しいね。2020/02/14