出版社内容情報
「本文では明治三〇年代、あるいは世紀末の日本におけるミュシャ受容の細部を追うことを中心とする。そして一九七〇年前後のミュシャの再発見の過程を終章で描く。それ以降のことは少女まんがの読者にとって自明であり、まんが史の歴史的系譜としてそれぞれが自分の敬愛する創り手の中に(時に作者は意識していないかもしれないが)見出すことが可能だからである。」(本書より)
内容説明
与謝野晶子・鉄幹の『明星』の表紙を飾ったのはアール・ヌーヴォーの画家、ミュシャを借用した絵だった。以来、現代の少女まんがに至るまで多大な影響を与えたミュシャのアートは、いかにして日本に受容されたのか?
目次
序 明治のアール・ヌーヴォーとは何であったか(少女まんがは「伝統」起源か;明治のミュシャ様式の成立とその特徴;明治の投稿空間とミュシャ様式のアイコン;明治国家とミュシャ様式)
第1章 明治ラファエル前派と投稿空間としての『明星』(柳田國男の恋を描いた挿画家・一条成美;明治のラファエル前派兄弟団と終われない青春;編集者・与謝野鉄幹と投稿空間としての『明星』;一条成美、ミュシャをローカライズする;『明星』はミュシャをいかに受けとめたか;白馬会と『明星』)
第2章 言文一致と日露戦争(『遠野物語』の表紙に佐々木喜善は何を見たか;新派としての柳田國男;日記文と「私」;日露戦争とミュシャ様式)
第3章 明治のミュシャ、一条成美とその運命(インスピレーションの画家;「文壇照魔鏡事件」と一条成美の移籍;『新聲』時代の一条成美;一条成美の方法)
終章 ミュシャから少女まんがへ(一条成美とミュシャの忘却;水野英子―ミュシャの帰還)
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年生まれ。国際日本文化研究センター研究部教授。まんが原作、批評など著書多数。海外でまんが表現を教育するネットワーク「世界まんが塾」を海外赴任した教え子らと運営、世界10カ国15地域でワークショップを開催している。また、海外の若手まんが・アニメ研究者に研究発表の場を提供する研究誌『トビオクリティックス』を私費で刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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