角川新書<br> 娼婦たちは見た―イラク、ネパール、中国、韓国

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角川新書
娼婦たちは見た―イラク、ネパール、中国、韓国

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  • サイズ 新書判/ページ数 344p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040822891
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0295

出版社内容情報

世界の姿は、最古の職業・ 娼婦たちが知っている。現場ルポの決定版!!世界は戦争とテロと、ポルノだ。

国家、軍隊、階級、習俗、貧困。
人を縛るものが溢れる世で生き続ける娼婦たち。
イラク戦争下で生きるガジャル、韓国米軍基地村で暮らす洋公主、ネパールの売春カースト村の少女に、中国の戸籍なき女・黒孩子など。
極限状況で暮らす彼女たちの眼から、この世界はどのように見えているのか? 
底から見た世界の実態とは? 
15年以上に及び、日本をはじめ、世界各地の夜の街と女たちを取材してきた著者による、現場ルポの決定版!!

世界の姿は、最古の職業・娼婦たちが知っている。
●イラク戦争下で生きる娼婦
●ガジャル、イラク宮殿にいたロマ
●デウキ、寺に捧げられ娼婦となったネパールの少女たち
●売春カースト・バディ村の少女
●ヒジュラ、第3の性の娼婦
●中国の戸籍なき女、黒孩子 
●韓国米軍基地の娼婦、洋公主

※本書は2016年7月に小社より刊行した『娼婦たちから見た戦場』を改題の上、加筆修正し、再構成をしたものです。

まえがき――戦争、圧政、貧困。そこにも娼婦たちはいた
→米軍によって変貌した売春の形。基地、戦争、圧政、貧困。極限状況にある社会において、共通していたもの。それは、世界最古の職業とされる娼婦たちの存在だった。彼女たちから、世界を見る。

第一景 戦争とテロとポルノ――イラク
→イラク戦争でバグダッドが陥落し、そしてテロが渦巻いたイラク。米軍相手の娼婦から、フセイン政権下では宮廷にいたロマ・ガジャルに、身体を売る将来が待つ貧困地区の少女たちまで。

第二景 神と売春カースト――ネパール
→マオイストを取材し続けた著者だから見えた、農村の光景。クマリという処女神信仰がある一方、寺に捧げられ、共同体の娼婦となる少女もいるネパール。そして、売春カースト・バディも存在する国。第三の性のヒジュラも含め、内戦と習俗の風圧のもとでも生き抜く娼婦たちを追った。

第三景 纏足と共産党王朝――中国
→売血によってエイズ村となった農村。未だ、纏足の老女が住まう農村。そして、都市で身体を売る戸籍なき少女・黒孩子。共産党王朝のもとで従属的な扱いを受けつつも、たくましく生きる女たち。

第四景 慰安婦と米軍基地村――韓国
→日本と韓国の売春は、アメリカとは切ってもきれない。米軍基地あるところ、娼婦あり。韓国では、洋公主と呼ばれる、米軍兵士と結婚した女たち。基地と売春を追う。

あとがき――戦場は異国ではなく、足下にある
→マイナンバー制度によって、より地下化する売春。かつて見たアメリカに住む日本人娼婦も、地下化した売春であった。社会制度、そして色街も消えてアメリカ化していく中、日本の将来を考察する。

新書版あとがき
主要参考文献一覧
写真について

八木澤 高明[ヤギサワ タカアキ]
著・文・その他

内容説明

国家、軍隊、階級、習俗、貧困。人を縛るものが溢れる世で生き続ける娼婦たち。イラク戦争下で生きるガジャル、韓国米軍基地村で暮らす洋公主、ネパールの売春カースト村の少女に、中国の戸籍なき女・黒孩子など。彼女たちの眼からこの世はどのように見えているのか?底から見た世界の実態とは?15年以上に及び、日本をはじめ、世界各地の夜の街と女たちを取材してきた著者による、現場ルポの決定版!!

目次

まえがき―戦争、圧政、貧困。そこにも娼婦たちはいた
第1景 戦争とテロとポルノ―イラク(バグダット陥落とフリー初仕事;「百二十五ドルだ」 ほか)
第2景 神と売春カースト―ネパール(「サー、デウキって知ってるかい?」;寺に命を捧げる者、マオイストに己の命を握られる者 ほか)
第3景 纏足と共産党王朝―中国(売血;床屋や野鶏と呼ばれる街娼たち ほか)
第4景 慰安婦と米軍基地村―韓国(日本と韓国の売春は、アメリカとは切ってもきれない;「もっと違ったことを取材してくださいよ」 ほか)
あとがき―戦場は異国ではなく、足下にある

著者等紹介

八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県横浜市生まれ。写真週刊誌フライデー専属カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。01年から12年まで取材した「マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅」が第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。15年以上にわたり、日本各地の夜の街と女たち、世界各国で生きる娼婦たちを取材してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

14
著者が世界のどこへ行っても娼婦を買う。そちら側に行かないとわからない世界があり、その視点で本を読むことができるのだから文句は言えないが、買う。前に飛田の話を読み、それは著者が女性でかなり限界を感じたので貴重ではある。紛争地に入る(入って時には母国に迷惑をかける)ジャーナリストがいるから、紛争地の内実もいくらかでわかるわけで、しょうがないか。2019/01/30

田中峰和

8
中国のエイズ村奇譚「丁庄の夢」は、売血の注射針の使いまわしで感染したのは理解できたが、元々のエイズの感染源が出稼ぎ売春婦だったとは。恐るべき河南省の貧困。一人っ子政策で生まれた戸籍を持たない黒孩子は長じて娼婦にならざるを得なかった。中国発展の裏に潜む闇は深い。他にイラク、ネパール、韓国の娼婦への取材も好奇心をそそる。日本に併合され公娼制度が持ち込まれただけでなく、さらに従軍慰安婦までさせられた韓国。その日本と韓国も戦後は米軍の進駐により同じような道を歩んだ。フィリピン人娼婦は日本から韓国に移動したらしい。2019/07/15

Katsuto Yoshinaga

7
「世界は戦争とテロと、ポルノだ」の惹句に惹かれて即買い。第一景イラク「アメリカがイラクにもたらしたのは民主主義ではなくポルノだ」という現地の言葉、第二景ネパール-神と売春カーストの国における幼児婚≒「花嫁は10歳」、第三景中国における纏足と宦官は「人間が絶対的に信用できないという妥協なき不信感」、大四景韓国の売春防止法(2004年制定)廃止を訴える娼婦たちのデモ、といったあたりの言及が記憶に残る。言葉足らずなところが散見されるが、自ら買って言葉にしているところは高評価。他の作も読んでみたい。2019/02/08

こも 旧柏バカ一代

6
ネパールの話は衝撃的だった。 カーストで決まってるとか呪いだろ・・・2019/05/13

輪-ring-動 don't

4
たぶん、書名を見ただけで投げ捨てようとする人がいるだろう。本書を読むことで、そうして遠ざけられてきた存在に、いくらかの理解が及ぶのではないだろうか。著者が話を聞いた人々は、日本から見た外国人だ。つまり日本とは関係のない、別世界の出来事だとするのは、残念ながら無理がある。見えにくくなっているだけで、存在を示すものは確かにあるし、人が人である限り、存在し続けるような気さえする。本文に書かれた中で強烈なのは、とある国のカースト制度におかれた女性が、両手を使って「ある動き」をすることだ。2021/11/09

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