角川新書<br> 路地裏の民主主義

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角川新書
路地裏の民主主義

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040821238
  • NDC分類 309.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

市井の思想家が路地裏を歩きながら考察した日本の政治・経済の問題点世界の様相は、予想を上回るスピードで変化している。グローバリズムに対する揺り戻しがくるとすれば、それは再分配に配慮した国民国家の再生に向けての動きであり、同時に、ナショナリズム的な復古主義が勃興してくる危険性も懸念された。簡単に言ってしまえば、左からの揺り戻しと、右からの揺り戻しがあるということだ。経済も、政治も、環境も、個人がコントロール可能なスケール(ヒューマン・スケール)を超えて肥大化しており、わたしたちの予想を超えたスピードで変化している。しかし、だからと言って、不公正や横暴がまかり通ることや、戦争への危険を手をこまねいて見ているわけにはいかない。 思想的拠点は存在しなくとも、わたしたちには生活の拠点がある。息の長い、実感の伴った生活の場から、今の状況を見つめ直すことはできるからだ。人が生きていく上で本当に大切なものは、変わらない、路地裏を歩けば、忘れてはならないものが見えてくる。オリンピック問題、カジノ法案、憲法改正論議、グローバル教育、権力とメディアなど、市井の思想家が日本社会の違和感について考察していく。

第1章:路地裏から民主主義を考える
第2章:路地裏のメディア論
第3章:路地裏の記憶を歩く
第4章:路地裏の読書、ときどき映画
第5章:人間のための経済学
終章:民主主義について語るために、わたしたちは生まれた町に帰ってきた


第1章:路地裏から民主主義を考える
第2章:路地裏のメディア論
第3章:路地裏の記憶を歩く
第4章:路地裏の読書、ときどき映画
第5章:人間のための経済学
終章:民主主義について語るために、わたしたちは生まれた町に帰ってきた



平川 克美[ヒラカワ カツミ]
1950年、東京都生まれ。実業家、著述家。早稲田大学理工学部卒業。現在、株式会社ラジオカフェ代表。2011年4月より立教大学大学院特任教授。16年4月より立教大学大学院客員教授、早稲田大学講師。14年3月より、池上線・荏原中延に隣町珈琲を開き、店主となる。主な著書に『路地裏の資本主義』『一回半ひねりの働き方』『グローバリズムという病』『小商いのすすめ』『移行期的混乱』『経済成長という病』などがある。

内容説明

安倍政権の一強時代になり、戦後の平和主義が脅かされ、国家と国民の関係があらためて問われている。法とは何か、民主主義とは何かについてこれまでになく揺さぶられる中、裏通りを歩きながら政治・経済の諸問題を思索する。

目次

第1章 路地裏から民主主義を考える
第2章 路地裏のメディア論
第3章 路地裏の記憶を歩く
第4章 路地裏の読書、ときどき映画
第5章 人間のための経済学
終章 民主主義について語るために、わたしたちは生まれた町に帰ってきた

著者等紹介

平川克美[ヒラカワカツミ]
1950年、東京都生まれ。実業家、著述家。早稲田大学理工学部卒業。現在株式会社ラジオカフェ代表。2011年4月より立教大学大学院特任教授。16年4月より立教大学大学院客員教授、早稲田大学講師。14年3月より、池上線・荏原中延に隣町珈琲を開き、店主となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

22
現代の日本の社会問題を、地に足の着いた生活者の視点から見て斬った小文をまとめた一冊だ。少子高齢化は日本の経済成長の結果であり、これを更なる経済成長で解決するという駄策では、もう前に進めない。定常状態に入った経済は、人口規模に合わせて縮小していくのが正当だ。経済、家族、仕事、介護、開発と環境破壊、文学や映画など幅広い分野の内容が面白かった。政治家の発言や意識がいかに的外れであるか、明快に述べた文章に、スッキリしたと同時にこんな政治家ばかりで日本はどうなるのか? と思った。平川さんのご病気はどうなのだろうか。2019/08/24

たかやん

22
内田樹先生の盟友=平川克美氏の著作も読もうと、まずは新書の最新刊を。少子高齢化は発展プロセスの必然的な帰結であり、成熟化する社会とはチグハグに発展途上型の経済成長戦略を掲げる日本…とグローバリズムに呑まれる世相に警報を鳴らす。「定常経済」について自ずと平川氏の他の本も読みたくなります。ちなみに映画の話題へ脱線(?)する際、『幸福の黄色いハンカチ』『リトルダンサー』など"炭鉱映画"に傑作多し、の指摘に膝を打つ。個人的には"潜水艦映画"に傑作多いイメージです。2018/01/07

skunk_c

22
さくっと読めるエッセイやコラムの集成だが、内容は十分で色々考えさせられた。地に足がついているというか、「実感」を大切にしているのがとても共感できた。エンゲル係数の上昇について頓珍漢な解説をした日経記事の話や、砂川判決を集団的自衛権に結びつける高村自民党副総裁の牽強付会ぶりを切り捨てるスタンスは、柔らかい文体からはうかがえない硬派ぶり。報道に対するジョージ・オーウェルの警句など、初めて知ることも多かった。一方映画など文化の話は、口調の穏やかさと目線の低さから楽しめた。『路地裏の資本主義』も読んでみようかな。2017/05/29

猫丸

12
微温的良識派エッセイ。読んで新しい発見があるようなものではない。至極当然のことばかり書いてある。現行のお笑い政権を支持できるような方々が読めば多少のクスリにはなるだろうが、そういう人はそもそも本など読まない。そんな意味であまり意義を見出せない本である。加うるに、あちこちに発表したコラムを持ってきて一冊にまとめた、という作り。要するに手抜……じゃなくてリサイクル感覚豊富な本でありますので、一貫した流れがなく、マー読みにくいこと。いいこと書いてありますけどね。おすすめはできませんな。2019/11/18

amanon

5
そういえば、これまでの人生ほぼ一貫して路地とは切り離かったな…と本書を読んでいて、ふと思い当たった。いみじくも今住んでいるのも路地裏だし(笑)。それはともかくとして、大文字ではなく小文字で語られるべきものがある。そしてそのことを決して蔑ろにしてはいけない。恐らく、これまでの歴史的大惨事は、小文字で語られたことを蔑ろにしてきたのが要因ではないか?と思わされた。本書で何度か言及されている小津の映画。どう見ても前時代的でしかないと思われる作品が今日的な文脈で語られる意味を我々は深く考えてみるべきなのかも…2021/05/23

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