角川新書<br> 戦争と読書―水木しげる出征前手記

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角川新書
戦争と読書―水木しげる出征前手記

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784040820491
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0210

出版社内容情報

水木しげるが徴兵される直前、人生の一大事に臨んで綴った「覚悟の表明」たる手記。そこから浮かびあがるのは、これまで見たことがない懊悩する水木しげるの姿。太平洋戦争下の若者の苦悩と絶望、そして救いとは。

内容説明

水木しげるが徴兵される直前に人生の一大事に臨んで綴った「覚悟の表明」。そこにあったのは、今までのイメージが一変する、悩み苦しむ水木しげるの姿。太平洋戦争下の若者の苦悩と絶望、そして救いとは。

目次

第1章 水木しげる出征前手記
第2章 青春と戦争―水木しげる出征前手記の背景(違和感と同感のはざま;戦時下の読書について;戦争になる前、日本は出版の黄金時代だった;軍国主義のひろがり;戦時下の学校生活;青年たちの声と和して;戦争と読書;ゲーテという存在の発見;『三太郎の日記』の出現;日本人と日記の伝統;水木手記をどう読むか)
第3章 水木しげるの戦中書簡
第4章 年表 水木しげると社会情勢

著者等紹介

水木しげる[ミズキシゲル]
本名武良茂。漫画家。1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、激戦地ラバウルに送られ左腕を失うも、九死に一生を得る。戦後、紙芝居作家になり、貸本漫画家を経て、少年誌にデビュー。紫綬褒章、旭日小綬章を受章、文化功労者。2007年フランスで仏語版『のんのんばあとオレ』が日本人初の最優秀漫画賞を受賞

荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年東京生まれ。作家、博物学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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ykmmr (^_^)

128
一『漫画家』の顔だけではない水木さん。文章を書かせるとまた、正直でありのままの引き込まれる文章を書く。字も達筆で、この本にも彼の書いた文章写真が載せられている。そして、時代だけではなく、世情に於いても読める本が少ない・限られている中で、教養本を沢山読んで、自分の見聞・作品・戦争経験に結びつけている。結構、難しくも書いているのだが、なんせありのまま・正直なので、『太平洋戦争』に対しての彼の語りは当然、そのまんま。私たちにも想像しやすいが、その有り様に、様々な感情が出る。2022/07/28

ばりぼー

46
水木先生が、徴兵される直前に死ぬ覚悟を決めて、人生の意味を見つけようと哲学書を読みあさって綴った真摯な手記。「六日、毎日5萬も十萬も戦死する時代だ。芸術が何んだ哲学が何んだ。今は考へる事すらゆるされない時代だ。画家だろうと哲学者だろうと文学者だろうと労働者だろうと、土色一色に塗られて死場へ送られる時代だ。」「十三日、吾は死に面するとも、理想を持ちつづけん。吾は如何なる事態となるとも吾であらんことを欲する。」まだ何者でもなかった二十歳の青年「武良茂」が、苦闘、苦悶する様子に、読むこちら側も背筋が伸びました。2017/06/21

おさむ

44
20才の水木さんの出征前の日記から浮かび上がるのは、真剣な読書によって戦争の恐怖や理不尽から自分を護ろうとする姿勢です。読書で心を鍛える。「きけ、わだつみの声」の青年たちの手紙とも重なります。書物を恩人、教師と捉えるほどの真剣勝負。少しでも見習いたい、と思います。2015/12/25

澤水月

42
手紙の肉筆写真、誤字なし長文で翁は若き日からインテリ!母宛に「女には俺は悪魔だ欺しても欺されないよ」クーっ!送りがな振りが現代的なのも驚き、戦後新風を逸早く?旅立ちの年5月出た手記の煩悶、懊悩。荒俣による戦時下の読書事情解説が実に明快。物品として本自体がなく出版・古書市場自体も縮小、だが円本以降の流れで学歴関係なく読書熱一般的。当時青年のバイブルガイド河合栄治郎『学生と読書』、思考モデル阿部次郎『三太郎の日記』。智恵子抄からニーチェ…死の極限前にエモ〜哲学と幅広かった若者の読書。積ん読に悩める世に生き感謝2015/12/07

ラルル

38
若かりし水木しげるの書記と、戦争と読書の関係についての荒俣さんの解説本。出兵という強制的で現実的な死、それに多感で青い頃に直面した水木しげる。恵まれた現代に生き、リアルな死に直面していない若者だって20歳前後なんて散々死について悶々と考えるものなのにそれが現実的で強制的なものであったとしたらそれはそれは苦悶するだろうと思います。 戦時中の読書については、熱い!の一言。少ない本を何度も何度も擦切れる程読み重ね、読んでいない時にも思考し、自らの肉とする情熱。現在のように腐る程本がある時代には無い情熱です2015/11/11

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