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出版社内容情報
ついに語られる、『焔』壊滅の真相――。十二年前、伝説のスパイ『紅炉』のフェロニカと『炬光』のギード、二人の未来は世界の運命によって引き裂かれた。そして、明らかになった真実を前に『灯』は選択を迫られる。
【目次】
内容説明
革命は成った。ライラット王国で新政府樹立。世界に大きな波紋をもたらす偉大な革命を成した若人たち―『灯』は、しかし、“世界の秘密”を識る者の語りを座して待っていた。「《暁闇計画》、そして『紅炉』のフェロニカのことを語ろう」『創世軍』のスパイマスター―『ニケ』は語る。「我は『炬光』のギードのことを語ろう」『蛇』のボス―『紅蜂』は語る。世界最高のスパイだった二人が、世界大戦を終結に導いた『焔』が、なぜ失われたのか。秘され、黙され、隠されてきた真実を識った『灯』は、世界の命運を握る大きな決断を下すこととなる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
51
「ああ・・・(口にした呟き)。」「ああーーああーーうわあーー(声に出来ない呟き)。」読むと、少しずつ休みながらでも、でも先に進まずにはいられない。漫画より深く明かされた「暁闇計画」とその道が選ばれた理由。「家族」としての絆に翻弄されるスパイ達。情が移り傷が増していく。本を閉じて帯のクラウスの言葉が見えるたび、そして本編でその言葉が訪れた時、うっとなる。前から覚悟はしても、いざ目の当たりにするとな・・・。「憂虞に塗れている」になったの重い。あ、8巻から思ってるけど白蜘蛛は弱さを強さに変えてる奴なんで。2025/06/25
マヌヌ2号
7
フェロニカとギードが「キャラクター」から、「人間」になった。そうなるまでの手続きはとても人工的だ。ここで描かれる「人間」は、あくまで物語上の存在としてのものだ。本作では、定規で線を引き、線と線を組み合わせて平面上に奥行きを作り出す、そのような手付きで「人間」が描かれる。ぼくはこれはミステリの手付きだと思う。このような場所にこそ、ミステリでしか描けない「人間」がいる。機械仕掛けの罠に落ち、人生のすべてが空転していくなかで、「人間」の叫びが読み手に木霊する。斯くして優れた動機が成る。傑作。次巻以降どーなるんや2025/06/24
椎名
7
とうとう描かれた焔崩壊の過去、それに伴って明かされた暁闇計画の全貌とクライマックスにかけてのプロローグのような巻だった。扉絵のクラウスさんがちょっとかっこよすぎる。グレーテ巻になるかと思っていただけに苦しい引きだったが、逆にここまでの展開を見せて本当にそれで幕引きということはないんじゃないかと思ってしまう。しかし一度たりとも勝利できず、それでも何度も挑戦し続けるという図はここにきてもまだ変わっていないのだ。だからこそ彼女たちが折れることはないだろうと信じることもできる。王道だが面白い。2025/06/21
藤崎
6
今回は、とうとう「暁闇計画」の全貌と、それが「焔」に引き起こした出来事について開示され・・・そして、また、もう、ホント、何度状況をひっくり返せば気が済むんだって絶叫したくなるレベルで急転直下の大転回。確かに支配と依存は表裏一体、操りの糸はお互いに繋がっているわけですが・・・いくら何でもがんじがらめが過ぎるでしょうがと。しかしてこう、トロッコ問題を出された時になんで二択なのってちゃぶ台返しを考えちゃうのは読み手としての性でしょうか。ともあれ次回ついにファイナルシーズン突入ということで、さらなる展開に期待です2025/06/20
ふうせん
3
…………とずっと無言を貫きたいくらい今回のストーリー何も言えねぇ。 緩衝材として竹町先生に容疑者扱いされてたエルナさんの話をしましょう。口絵のエルナが大変なことになってるじゃないですか。かわいそうだけどエルナらしくて面白い。2025/06/24