出版社内容情報
宏美は東京でOL生活中。仕事帰りにスマホを見ると、母親から突然、今向かってるとメッセージが。正直、仕事で疲れているので、相手をするのは面倒だ。そう思い帰宅すると――「お邪魔しています」。部屋には何故か、こたつに入った喋る犬がいて!?
犬は一宿一飯の恩義と言い、なんと宏美の声真似をして、やって来た母親の相手をしてくれた。すると傍目に二人の会話を聞く宏美にも、母親との思い出が蘇り……。
そんなちょっとだけ疲れた普通の人たちの物語。こたつ犬があなたの“や”なこと、代わります。
内容説明
宏美は東京でOL生活中。仕事帰りにスマホを見ると、母親から突然、今向かってるとメッセージが。正直、仕事で疲れているので、相手をするのは面倒だ。そう思い帰宅すると―「お邪魔しています」。部屋には何故か、こたつに入った喋る犬がいて!?犬は一宿一飯の恩義と言い、なんと宏美の声真似をして、やって来た母親の相手をしてくれた。すると傍目に二人の会話を聞く宏美にも、母親との思い出が蘇り…。そんなちょっとだけ疲れた普通の人たちの物語。こたつ犬があなたの“や”なこと、代わります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
煮豆
34
疲れた人の前に現れるこたつに入った柴犬。それが《こたつ犬》である。こたつ犬はしゃべるし料理もするし、“や”なことも代わってやってくれる。もふもふでかわいいだけではなく有難すぎる存在。そんなこたつ犬に出会う人たちの連作短編集。あの人がこっちのお話ではこうなっていた!というのがとにかく楽しい。3話の彼にはイライラしっぱなしだった!とっても有難い存在のホットクックをけなすなんて!ホットクック様様の生活を送っているので。許すまじ!最後のお話でウルッときた。ファンタジーは苦手だけど、これは読んでよかった!!2023/11/29
よっしー
28
こたつに猫ではなく犬?と、気になって手に取りました。疲れていても休まない(いや、休み方を知らない?)人のお家にこたつと共に現れる柴犬。こたつに入り、のんびりとくつろいで美味しいものを食べて…目の前に居るのが犬だからこそ、本音も言えるようになるのかな。やなことを変わってくれるお陰で、客観的に自分を見つめ直すことが出来る機会が持てるのも良いですね。こたつ犬の始まりともいえる最後の話は切なくもありましたが、その後の行動を見ていると悪くはないのかな。私の前にも来て欲しいです。2023/09/21
Karl Heintz Schneider
23
一人暮らしのOL宏美が、ある日家に帰ると部屋にはなぜか、こたつに入った犬が!「お邪魔してます。おかえりなさい、 お仕事お疲れさまでした。」しかも、しゃべってるし。ビックリして追い出そうとする宏美だったが、この犬、家事も対人関係も完ぺきにこなすスーパードッグだった。ずるずるといっしょに暮らすうちにやがて、なくてはならない存在に・・・ゴリゴリのファンタジーではあるが寒さの厳しい今の時期、自分の帰りを笑顔?で迎えてくれて温かいご飯まで作ってくれる。こんな犬がいたらいいなあと読みながら思ってしまった。2023/01/11
あつ子🐈⬛
20
尼野センセの新刊です。今度はわんこだ!かわいくてちょこざいな(笑)わんこが突如リビングに出現して、部屋の主の心の重荷を下ろすお手伝いをしてくれます。もれなくおこた付きです。ほぅ…(暖)福井育ちとしては第一話『母とこたつ』のエピソードに、にまにましたりしんみりしたり。ナチュラル福井弁まだ話せるんやざ。 全部好きですが、とりわけ第三話『家事とこたつ』が一番良かったです。いずこの時も思いましたが、尼野センセはモラハラ男を描くのがうまい…憎々しすぎて口にパプリカ詰め込みたくなりましたよ、ふふふ。続編読みたいです。2022/12/05
雪だるま
15
まずなんと言っても表紙がいい!犬好きなら表紙買いしてしまいます。ある日突然こたつとセットで現れる芝犬。疲れている人の″や″な事を代わってくれると言う。何でもできるモフモフ犬(名前がない!)に助けられ前向きになる人たちの連作短編集。第5話のおじいさんとのお話が何とも切なくてグッときます。おじいさんが大好きだったんだよね。ちなみにウチの犬もこたつ大好きです。2025/01/31