内容説明
平安時代後期の政治は儀礼や先例を重んじる形式的なもので、官吏は国家行政に対する責任感に欠けていた、とする従来の見方に修正を迫る労作。当時の太政官政治の中心とされる「定」や諸国条時定・国解慣行などを再検討して、儀礼化したと見える政務の具体相を明らかにし、太政官政治の実務を担当する弁官局・外記局とその官人の実態を解き明かす。
目次
摂関時代をどう理解するか
1 政務と儀式(太政官政務の処理手続―庁申文、南所申文、陣申文;諸国条事定と国解慣行;国司申請荘園整理令の存在)
2 弁官局と政務(官務家成立の歴史的背景;弁官局の機能と官宣旨―十一世紀中葉以降の官宣旨使用増加の歴史的背景;実務官人の「家」と家業の継承)
3 外記局と政務(外記局の停滞―軒廊御卜の二種類の召集をめぐって;清原頼隆と清原頼業の間;藤原伊通と外記局)
王朝国家の政務
著者等紹介
曽我良成[ソガヨシナリ]
1955年愛知県に生まれる。1986年広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。現在、名古屋学院大学リハビリテーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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