出版社内容情報
幼い頃から愛猫と過ごし、今は動物病院に勤務する綾乃。仕事にやりがいを感じている彼女は、通勤途中、とある困った「何か」を見つけてしまいーー? 小さな奇跡と美味しい珈琲、ペンギンカフェでどうぞ召し上がれ。
内容説明
幼い頃愛猫の命を獣医に救って貰った綾乃は、大人になった現在誇りを持ち動物病院に勤めている。そんな綾乃が通勤途中、迷子の犬を見つける。放っておけず職場へ連れて行くと、堅物の院長から大目玉を食らい落ち込む綾乃。そこで気分転換にと昼休憩を使って外出すると、ダンディな声で話しかけてくる不思議なペンギンのカフェへ迷い込んでしまい―?ペンギンのマスターはもちろん、ふわもこで可愛い子ペンも大活躍。あったかな珈琲と手作りお菓子、それにめくるめく奇跡を用意して、今日もペタペタほっこり開店中。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
96
「ペンギン」シリーズ第2弾です。シリーズと言っても、前作からの繋がりはほとんどなく、舞台をタイトルにあるように前作のバーからカフェへ移しての話になります。ペンギンのマスターは変わらずですが、サブキャラの見習いが前作とは変わってます。構成自体は前作同様にバラバラの話が最後でキレイ整理されてく描写はある意味快感ですね。人それぞれに色んな悩みがあり、そんな悩みを飾るコトなく、息を吐くようにすっと話すコトができたら、きっと未来も少しずつ変わり始めていくのかもしれませんね。ふんわり&ほんわかと感動できる作品です。2023/11/28
ぶんこ
43
真夜中はバーでしたが、朝焼けはカフェ。マスターのペンギンと見習いの子ペンギンが、訪れる悩める人を癒してくれます。あまり近しくない人にこそ、悩みをうちあけやすいもの。マスターも子ペンギンもお客さんの動物も、みなじっくり話を聞いてくれるのも嬉しい。犬のコテツとおばあさんの話が特に好みでした。コーヒーの香りがしみついた有本家。縁側でコテツとおしゃべりしたくなりました。2022/12/19
よっち
37
ペンギン店主にふわもこな子ペンも加わり、温かい珈琲と手作りお菓子、それにめくるめく奇跡を用意して今日もペタペタほっこり開店する連作短編集。幼い頃からの夢を叶えて動物病院に勤務する綾乃の迷い、もうすぐ生まれる子供を持つことに実感が湧かない大樹、新しいクラスに馴染めず学校へ行きたくない菜緒、有本家にもらわれてきた犬コテツ視点のエピソードなど、悩みを抱えて行き詰まった登場人物たちが、ペンギンカフェ店主の美味しいメニューや子ペンたちとまったりとした時間を過ごす中で、大切なことに気づいてゆくとても素敵な物語でした。2022/04/12
さばずし2487398
35
コテツの話が良かった。ただエピを語るだけでなく壮大な輪廻の物語。ペンギンが話すのはかなりびっくりするけど行ってみたい。自分だったらどんな話をするだろうか。マスターがコーヒーを作る時の流れを読むたびに香りが漂ってきそうだ。チェーン店がメインになった中で、昔ながらの喫茶店はメニューの量がほんとに多かったんだなとそんなところも思ったりした。2025/03/29
はる
19
今回は朝に開店してるコーヒーのいい香りのするカフェが舞台になっています。しかも、有本家で飼われている柴犬のコテツの周りで悩んでいる人がコテツとカフェの従業員と常連さんに話しを聞いてもらいながら悩みを解決していく話です。そして、今回は少しカフェの秘密も明らかになりました。2024/04/20