- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 富士見ファンタジア文庫
出版社内容情報
飛び降りそうだった美少女を、幸せな日常へと導く青春譚。
内容説明
陰キャでも陽キャでもない、カーストもそこそこの俺。けれどある日、屋上でばったり「神に愛された完璧な美少女」と名高い三峰彩葉が飛び降りようとしているところに遭遇する。「放っておいて。私、もう死ぬんだから」そんな彼女を止めて以来、二人で過ごす日々が始まった。空き教室でピザを食べたり、夜のプールで花火をしたり。「私、君といるのが楽しいのかも」「君のせいで死ねないじゃん」他人の視線に怯えつつも、そっと心を開いてくれた三峰。“完璧な自分”の仮面を取った彼女は、子どもっぽくも可愛くて―。これは悩める美少女を、平凡で幸せな青春へと導く物語。
著者等紹介
飴月[アメツキ]
『君のせいで今日も死ねない。』にてデビューした新人作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
49
これは大傑作。「特別」になりたい少年と「特別」であることが苦しい少女が出会って始まる物語。憧れている学園の『完璧美少女』三峰彩葉が自殺するのを思いとどまらせようと、ときに真剣にときに剽軽に頑張る「A君」の誠実さがとても素敵。そんな彼の姿に三峰は次第に凍った心が溶かされ、そして距離が縮まっていく二人の姿がとても眩しく映ります。DSマイル氏の儚げなイラストも本作品にピッタリですね。心が温かくなる青春ラブストーリーした。2021/08/23
よっち
47
陰キャでも陽キャでもない、カーストもそこそこの自称Aくんが、屋上でばったりと「神に愛された完璧な美少女」三峰彩葉が飛び降りようとしているところに遭遇し、その自殺を阻止したことで始まる二人の青春小説。彼女の自殺を阻止するために放課後に一緒にいる時間を作り、先の予定を埋めてゆくAくん。孤独を抱え他人の視線に怯えつつも、ただひとり懸命に向き合ってくれる彼にそっと心を開いてゆく三峰。心を満たしてくれる彼の存在が、彼女にとってかけがえのないものになって、お似合いの二人になってゆく結末にはぐっと来るものがありました。2021/08/20
かんけー
40
読了♪メンバーさんのレビューで気になって読んでみました♪授業を抜け出して、屋上で昼寝と思ったら?容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群な完璧美少女の三峯彩葉が先客で?何をしてるのかと問えば、「何って、見たら分かるでしょ?自殺するの」と淡々と無表情で。ヤバい現場に出会したと?さぁて此処から俺ことAくんと彩葉の「自殺」を掛けたしりとり問答が展開される。俺にとっての毎朝の通学電車の憧れの対象としての彩葉と言う人物像を丁寧に描写し、Aくんと彩葉の会話のテンポがスピーディーで「死ぬ」と言うキーワードの割にあっさりとした→2021/09/18
わたー
38
★★★★★私の好みドストライクで序盤から涙腺がもたなかった。自殺しようとしているヒロインを主人公が何とか思いとどめようとすることから始まるラブコメ。周囲からの期待に応え、「完璧」であろうとするあまり疲れ切ってしまった彼女が、サボりの常習犯で平々凡々な彼の口車に乗って、少しずつ仲を深めていく。そんな、彼女をただ一人の人間として扱う彼の行為に惚れないわけがないじゃあないか。彼女に終始、死の影がチラつくため、展開は重めになりがちだったが、彼の、わざとらしいぐらいの明るさのおかげで結果としてはいい塩梅だった。2021/08/20
しぇん
34
憧れていた少女が自殺しようとしている所に出くわしてしまった所から始まる物語……。と、なかなかセンセーショナルな物語の導入ですが、そこから生きてもらう為に戦う主人公が良い感じでした。何か疲れてしまって弱ってしまむた時に中途半端な優しさも難しいな、と思いましたが、少しずつ楽しい感情を取り戻していく描写が良かったです。単巻で綺麗にまとまっていたのも好印象でした2021/08/24