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出版社内容情報
蘇りし勇者の指導の下、勇者候補の少女たちは激突する
内容説明
「クロムさん。わたしを、勇者にしてください」勇者とは命と引き換えに世界を救うモノ。その理に従い勇者クロムは命を落とした―だが、瞳を開けるとそこに少女が立っていた。現世に呼び戻されたクロムに、少女ライラは願う。再び危機に瀕した世界を救うため、自分を勇者にしてくれ、と。そうして始まった二人の不思議な師弟関係。剣と魔術、そして“ほんとうの勇者”の姿をライラは彼から学んでいく。だが彼女が勇者を目指す裏には、とある悲しい理由が隠れていて―第33回ファンタジア大賞“審査員特別賞”を受賞した珠玉の完成度の“王道”ファンタジー
著者等紹介
蒼木いつろ[アオキイツロ]
第33回ファンタジア大賞で“審査員特別賞”を受賞し、『少女と血と勇者先生と』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
世界を救い死んだ筈だった勇者・クロム。だが生ける屍として現世に呼び戻された彼が、勇者になりたいと願うかつての仲間シオンの妹のライラを鍛え、一緒に勇者を目指すファンタジー。再会したクロムに師事して、悲壮感すら漂わせながら勇者を目指すライラ。勇者になれるのは一人だけで、同じ勇者候補のゼシアやリーリアと試練で競う中で、明らかにされてゆく候補者たちが目指した背景。クロムもまた失われた記憶を取り戻していきましたけど、それぞれが抱える過去の悔恨にしっかりと向き合い、残り超えてみせた結末にはぐっと来るものがありました。2021/04/20
オセロ
17
世界を救って死んだ元勇者のクロムがアンデッドとして蘇った世界で、かつて共に冒険したシオンの妹のライラがクロムと共に新たな勇者を目指す王道ファンタジー。他の勇者候補のリリーアとゼシアと共に挑む試練で協力したり、ぶつかったり、物語が進むにつれてクロムが失った記憶が蘇る展開は読み応えがありましたし、少女達が勇者を目指す三者三様の理由には胸を打たれました。 最後が駆け足気味だったのが少々残念でしたがそれでもファンタジア大賞の審査員特別賞に見合う力作でした。続刊の可能性があるようなので楽しみです。2021/04/20
かっぱ
16
一度は命を落とした勇者が現世に呼び戻されて次世代の勇者候補である少女を導いていく物語。ファンタジア文庫がこれまでやってきた王道のファンタジーを踏襲しながら新しい物語を、という部分はわかるのだけど、教師モノとしての立ち位置は中途半端に感じたし、勇者としての説得力ももうちょっと出せたのではないかと思ってしまう。というのも、かなり淡白に平坦に物語が進みながら気づいたら終わっていた感覚があって、どこかお話に乗りきれないところがあったのかも2021/05/02
ツバサ
14
王道な流れで盛り上がりがありましたが、どこかなぞっているふうに感じて感情移入しづらい作品でした。2021/04/23
のれん
12
一言で言うと微妙。 ただその微妙さがなんとも言いにくい。 ヒロインたる勇者を失い意気消沈した死人の主人公が先生役をやり、勇者の妹を弟子にして絆を深めるという、その展開が淀みなく続き、悪く言えばなんもどんでん返しがないまま収束する。 物語の要素は王道的で、キャラも不快感がなく、ラストも希望を感じさせて後味良し。 別にどんでん返しは必須なわけではないのだけど、それでもなんか印象に残らず終わってしまった。 相性が良くなかったのかもしれない。2021/04/24