内容説明
人類圏の東端に位置する“灰の街”。灰が降り続けるこの街で、国家警察特務捜査官・トシヤ(30)は『ヒミコ』という薬物が関わる事件を追っていた。相棒は通称“ネコ”と呼ばれる幼女・ミィ。凸凹コンビが殺人事件調査や潜入捜査をこなしつつ―街のちょっと変わったSFグルメを堪能する!?「へいお待ち。電極培養豚の豚骨ラーメンだ」最終戦争後『食の復古主義』が興る未来都市で、殺伐とした事件に挑む年の差バディの、美味しくてすこし哀しい物語。
著者等紹介
黄鱗きいろ[キウロコキイロ]
『灰の街の食道楽』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サケ太
18
殺伐としたSF世界。食事を通じた交流。そのすぐ近くにある死。どのような出会いと離別があっても、生きる。様々な想いを抱えた特務捜査官と彼らとともに任務に挑む人造の怪物“ネコ”。不穏な世界の中での登場人物たちの生き方。現在も残る過去。グルメもの、といえば美味しい、美味しそう、となるわけだが、“苦味”があるのがこの作品の味か。厳しい世界の中で、それでも食べる飯はきっと美味いのだろう。2021/03/12
HASE, Moto
0
最終戦争の後、かつての自然や農業・漁業・畜産業などが失われ、食文化さえロストテクノロジーとなりかけた社会。奇病の発現を抑えるための灰が降りしきる街で、国家警察特務捜査官のトシヤは、相棒で「ネコ」のミィと共に仕事に当たっている。 資源も食材も乏しい中でも美味しいものを求めるトシヤとミィ。現代人から見るとちょっと不思議な食べ物もあるものの、美味しそうに食べる様子が微笑ましい。 仕事は殺伐として物騒で、少しグロテスクでもあり、物悲しいときもあるものの、そのくらいのタフな刺激がちょうどよいです。おもしろかった!2021/04/10
雨水 飴
0
久しぶりにSFを読ませていただきました。ミィとトシヤの関係性、イナちゃんとロウの関係性、そしてアマトくん。登場人物が魅力的で、そしてお腹が空く!美味しそうなご飯たちにヨダレが口の中に溢れて仕方なかったです。特に5話目と6話目が好きなお話でした。ネコと捜査官の掛け合いや、そこにちょっとシリアスなスパイスが効いていて楽しいお話でした。続編を楽しみにしてもいいのかな?ヒミコと五番殿の関係性も気になりました。
蒼
0
Kindle2021/03/14