出版社内容情報
仙娥によって後宮の最下層・冷宮に落とされた小玉。粗末な衣で下働きする辛い環境に落ち込んで……はおらず、かなり生き生きと生活していた。さらにそこで不正が行われているかもしれないという話を聞いて――?
内容説明
仙娥の罠にはまり、皇后の地位を剥奪された小玉。綵とともに後宮最下層の冷宮に送られ、誰もが小玉の過酷な未来を予想した。しかし意外にも、小玉は生き生きと下働きに励みはじめる。さらに冷宮での生活で、小玉は走り続けていた自分を見つめ直す、凪のような時間を得ていた。その一方、珍しく文林が真桂のもとを訪れる。文林が真桂に持ちかけたのは、小玉救出のための悪あがきのような一手だった。本人ですら死を覚悟した環境の中、小玉が助かる道は果たしてあるのか―。
著者等紹介
雪村花菜[ユキムラカナ]
2014年、第二回ラノベ文芸賞にて、応募作『生生流転』が瑞々しい人物描写と軽妙な会話劇、緻密な舞台設定を高く評価され、金賞受賞。改題及び改稿した『紅霞後宮物語』で作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
68
待望のシリーズ最新刊。仙娥の謀により冷宮送りになった小玉。はあ?結局仙娥は何がしたかったの?が正直な感想だけど(笑)元々庶民だからか味方を増やしてイキイキする小玉はさすがでしかない♪このシリーズは本当に普通の後宮小説と一味も二味も違ってヒーローとヒロインの関係性が一進一退、二歩進んで三歩下がるみたいな感じで笑、もうどうなるか分からない!物語の着地点は一体どこへ?皇后じゃなくなった小玉、少女小説にあるまじきヒゲを蓄えた(笑)文林との関係は一体どうなるの?なんだか今までのシリーズとは違った読後感でした。2020/12/22
はなりん
35
仙娥編?の決着。冤罪で廃后され冷宮行きになった小玉。皇帝の文林も小玉も、絶対的な味方が減ったなぁ。冤罪にも関わらず、跳ね返せる力がない。0幕が仲間で囲まれているだけに、なんだか寂しい。最後は2人の関係が新たなものとして、また近づいた感じなので、よかったかな。2021/10/02
よっち
35
仙娥によって皇后の地位を剥奪され、後宮の最下層・冷宮に落とされた小玉。粗末な衣で下働きに従事する一方、支持者たちは復帰に向けて動き出す第十二弾。表紙の文林のヒゲ…後の展開を思うとつい笑ってしまいましたが、悲惨なはずの冷宮暮らしもどこまでもついてくる清喜たちの存在が効いていて、むしろ小玉が不在だった後宮の動きの方が今後に影響してきそうな…顛末としてはどうにかこうにか無難なところに落ち着きそうですけど、年月の経過を痛感する描写もあって、一度気づいてしまったこと、変わってしまったものはもう元に戻れないですね…。2020/12/15
よっしー
32
今回は国内での話がメインでしたね。小玉は冷宮送りという中々過酷な環境であるはずなのに、生来の生まれや軍属上がりということもあって、見事なまでに環境に適応していてビックリでした。そんな中、暗躍していた人物が早々に退場し、小玉は後宮に返り咲き…。何だかと思う中での、文林の体調不良を含む面々の老いが感じ取られてきました。そう考えると、零幕の方がはつらつとしていて、個人的には好きですね。2024/02/04
mariann
25
この数巻、仙娥に始まり仙娥に終わっていたものがようやく終息。他の方が言っているように、ほんと何がしたかったんだ…が全て。 ストーリー紹介で、冷宮に送られた小玉は意外にも生き生きと下働きに励み…いやいやいや、誇張だよ(笑)そんな生き生きした描写があった?思い起こせばってだけだよ。弱っていく文林、小玉も歳とったよね〜。惰性は否めないけど取り敢えず次。2022/06/27