出版社内容情報
唯一の家族だった祖母を亡くした天涯孤独の大学生・祐里は、祖母の貸家に住む冴えない歴史ライター・桜介と出会う。二人は下町ならではの事件へ挑むが、一方で祐里は未だに祖母との喧嘩を悔やみきれずにいて――!?
内容説明
素朴で粋な町・墨田区向島。亡き祖母と共に暮らしたこの町で、女子大生・祐里は殺人事件に巻き込まれそうになっていた!?―というのは誤解で、祐里は祖母の貸家で行き倒れた住人・桜介を発見。歴史ライターだが仕事もなければ金もない。そこで桜介から、家賃代わりに手助けできる事は無いかと持ちかけられたのだ。祐里が思いだしたのは離れに置かれた形見の箱。その離れには“喋る幽霊”が現れるため、確かめられずにいた。“お江戸博士”こと桜介の知識と祐里の負けん気を頼みに、下町の謎に挑むが―!?
著者等紹介
相沢泉見[アイザワイズミ]
第2回富士見ノベル大賞・佳作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
60
祖母を亡くして天涯孤独になった女子大生・祐里は多くの不動産などを相続したが管理会社に任せず直接現金で家賃を徴収している貸家が一軒あった。この貸家に住むお江戸博士はとても貧乏で家賃を払ってくれない、このお江戸博士と共に江戸面影の残る場所を散歩する羽目になる祐里。謎解き要素もあるが、古地図片手に散策しているような気分で読み終えた。2022/11/18
るぴん
33
母本。女子大生の祐里とフリーライターの桜介が、どこか江戸の面影が残る謎を解く日常の謎系ミステリー。舞台が下町ということもあるし、大家と店子の関係も含め、昭和の話のようだった。鼠小僧の話と祐里の祖母の形見の話は、どちらも亡くなった家族に対する愛情を感じてほろりとした。さらりと読めた1冊。2020/08/17
よっしー
29
祖母を亡くした祐里、亡き後も困らないようにと手を打った祖母が唯一残した仕事が家賃の徴収。普通に考えると、滞納してる人の元に女子大生を送り込むのはいかがなものか…と思いましたが、桜介さんを見ているとダメ男の典型のようで、でも見直すところもあり…。きっと、祐里の支えになってくれると思ったのだろうなと感じました。切なくもあり、心暖まるお話でした。2022/10/31
sugar&salt
8
桜介さんの知識がすごくて、鼠小僧とか着物とか江戸城のこととか勉強になった。でも子どもがいるのに所持金数十円だったり、19歳の祐里ちゃんに当たり前のように奢ってもらおうとしたり…ちょっとダメ過ぎる。2021/03/29
陽ちゃん
5
向島に祖母と一緒に住んでいる女子大生の祐里が、祖母が亡くなったため家主業を引き継ぎ家賃を取りに行ったところ…店子の桜介のあっけらかんぶりには驚きました。なぜか桜介に引っ張り回される祐里ですが、そのお陰で祖母を亡くした悲しみが癒えているのかも知れませんね。江戸時代のおもかげ、探しに行ってみたいです。今は無理ですが。2020/08/01
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