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内容説明
ここは、この異世界でただひとつのコーヒーが飲める場所。現代からやってきた元高校生ユウが切り盛りする喫茶店だ。異世界での暮らしにも慣れ、三度目の年越しが近づくある日、ユウは意外な人物から「元の世界に帰るべき時」が来たことを告げられる。コーヒー好きの竜族ファルーバさんからは“竜の花嫁”探しの手伝いを頼まれるし、常連さんと新年を祝うパーティーの準備だってある。それでもやっぱり頭をよぎるのは、試験を終え一時的に街に帰ってきたリナリアのこと。想いを伝えたら迷惑なんじゃないか、とか。あれこれ悩むユウに、容赦なく異変は起こり始めて―!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
38
異世界での喫茶店が紡ぐハートフルストーリー堂々完結。 ユウが異世界に迷い込んだ理由が分かり、それに伴い馴染みつつあった異世界に居られる時間があと少しだと知ったユウは果たして…。 常連さんからも徐々に忘れられていき、アイナと共に合格祝いを考えていたリナリアとは喧嘩してしまい。生きがいだった喫茶店を続ける意味も異世界に留まり続ける意味も失くしてしまいう展開は辛かったですけど、そんなユウが築き上げてきたものはたしかにあって。異世界に愛という名の繋がりが出来るラストは控えめに言って最高でした。2023/05/20
まりも
37
異世界にただ一つの喫茶店を舞台にした珈琲の香り漂うファンタジー堂々完結。白いリボンがよく似合う。物語のラストを飾るのはユウとリナリア。こんな壮大で素敵なラブストーリーを最後に見せてもらって本当に嬉しかった。読み終えた後に表紙を見ると胸がいっぱいになりますね。初めはひとりぼっちだったユウが始めた喫茶店が異世界の人々の憩いの場所となり、やがてそこで運命の相手と出会い、喫茶店がユウと人々を繋ぐ場所となる。いろんな思い出を思い出しながら一つまた一つ心に刻まれていく良い作品だった。いつかまた立ち寄りたい。2019/07/28
ツバサ
23
この作品はシリーズを通して、暖かさや優しさとちょっとした試練で出来ていた。ユウが元の世界に戻りそうになって気づいた、今まで繋いできた縁のありがたみが感じられて、心を癒していきました。リナリアもユウも周りも幸せになれそうで良かったです。2020/07/10
はる
21
最終巻とうとうもとの世界に帰ることになったユウだがユウのすることは変わらずリミットが迫るにもかかわらず人助けさらに自分がいるかわらないパーティーまで自分のことを考えずいたそんな中で龍の花嫁やらリナリアと喧嘩まではたしてどうなるのか… ああ終わってしまったいつまでも浸っていたい世界観のお話でしたユウがいたからできた人の繋がりでああいうラストになったんだなと思いましたカクヨム短編の6話に繋がってると思うともう少し続きが見たくなりました面白かったです2019/07/21
真白優樹
17
季節は冬、迷宮事変で街が湧きかえる中、ユウが意外な人物から帰還の時を宣言される今巻。―――戻るか進むか、その答えは全部ここにある。 刻一刻と迫る刻限、だけどそれでもいつも通りに。悩んだりすれ違ったりしながらも自分のいるべき場所を考える最終巻。 終わりはいつでも突然に、だけど自分の居場所を決めるのは自分だけ。最後まで皆が温かく、最後まで馬鹿なくらいに賑やかで騒がしい。そんな優しさと温かさに満ちた巻であり、最初の絵へ繋がるユウの選択へ拍手したくなる巻である。彼等の末永い幸せを願って。 うん、最高に面白かった。2019/07/22