出版社内容情報
この紅い石は、京都を護る心臓―?。そして、私の心、あなたの心30歳を目前にして夫から別れを切り出された旭日。呆然とする旭日の前に現れたのは、恋に悩む日本男児な剣道少年・佐竹と不思議な紅い石、そして烏帽子姿のおじさん安倍晴明だった――。京都を巡る、恋と冒険の物語
道具小路[ドウグコウジ]
著・文・その他
もりちか[モリチカ]
イラスト
内容説明
三十歳を前に夫から別れを切り出された旭日。悲しいでも寂しいでもない。ただ、胸に深い穴が空いたような気持ちになった。判をつけないまま一週間が経った頃、旭日は仕事帰りに鴨川に飛び込んだ男子高校生・佐竹を助ける。彼も失恋したようだ。「助けてくれた礼」と、佐竹から紅く煌めく石を渡される旭日だが、それは京都の守護石『京都の心臓』だった…。二人は石を狙う何者かに狙われることになり―?奪い奪われる『心臓』。それはあなたの心、私の心。古都を巡る恋と愛の物語。
著者等紹介
道具小路[ドウグコウジ]
1988年生、宮崎県出身。2013年、「やたらウロウロめったらドキドキ」で第四回京都アニメーション大賞小説部門奨励賞を受賞。同年、「石蕗春菊ひとめぐり」で第一回ラノベ文芸賞大賞を受賞し、改題した「サンタクロースのお師匠さま」(富士見L文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
56
うーむ、これは恋愛モノというより、女性が人生と闘う話なのかな。そのわりには仕事の内容にあまり触れられていないが。不思議な疾走感とパワーが強いため、最後まで読ませる力はある。2018/12/17
吊り太郎
30
京都の心臓、タイトルからして面白そうで内容は、恋愛物かな?と思い読み進めました!すると、いきなり離婚を告げられた30歳OL旭日と剣道部のマネージャーに振られた佐竹。離婚を告げられた旭日が水切りを必死で行っている所、鴨川へ飛び込んだ佐竹を救い二人が出会う。佐竹が拾った不思議な赤い石を旭日へお礼だと渡す。それが京都の心臓であり、安倍晴明が二人で来るべき日まで守って欲しいと告げられる。京都を良く思っていない他の都道府県から京都の心臓を奪いに刺客が現れ何とか守り抜くが、ある秘密が込められた京都の心臓と二人の運命は2019/02/12
シナモン
23
購入本。表紙の絵の感じからして京都を舞台にした軽い恋愛ものかと思ったら良い意味で裏切られた。突然夫から離婚を突きつけられた主人公旭日はひょんなことからルビー色に輝く石を手に入れる。偶然知り合った高校生佐竹とその石を守るよう安倍晴明に言われ、石を狙う様々な刺客から石を守るべく奮闘するストーリー。登場する石に込められた京都の歴史、えぇ~、そこまでさかのぼる話なの❗とびっくり。石を狙う刺客が滋賀、奈良といった京都に嫉妬心を持ってるのが妙にリアルな感じで面白かった。2019/02/13
九月猫
12
たしかに恋と冒険のお話だけれど、いろんな要素が詰まっててなんとも言えない感じ。 実は、お話自体よりも今どきの女性でもこんなに三十歳を気にするのかというところばかりが気になって。 “思い描いた「まっとう」から外れる。ここでバツをつけて、新しい良縁なんてあるのか。”とか、“男性と女性では三十歳という年齢の重みが違う。きみは『女子クリスマスケーキ理論』というものを知っているかね”とか。 作者さんがちょうどその辺りの年齢で実感を伴っていてのこの文章だとしたら、いまだ世間のイメージがこんなままなのかとびっくり。2019/06/21
はなりん
11
京都らしく結界やら清明やらのお話と、30才で突然夫から離婚を切り出された女性の葛藤と恋に敗れた高校1年生男子の真っ直ぐな思いが上手く融合していて、何とも説明し辛いお話。でも、後を引く感じ。2019/03/24