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出版社内容情報
「あなたは、青春不感症なんです」おれは、西條理々に本性を暴かれた。誰もが羨む高校生活なんてのは、見栄や建前でつくられた幻想だ。友人から、家族から、世間からすら孤立しよう。そうやって、おれと西條さんの“共犯関係”は始まったんだ。
長友 一馬[ナガトモ カズマ]
著・文・その他
いけや[イケヤ]
イラスト
内容説明
高校に入学した日。野田進は桜の木から落ちてきた清楚系女子、宮村花恋と運命的な出会いをし、誰もが羨む高校生活を手に入れる。だが進は、そんな普通の幸せに満足できなかった。「あなたは、青春不感症なんです」そこに、エキセントリックな孤高の天才児、西條理々が現れる。彼女の言葉で、進の日常は甘くきれいに溶けだした。「私の足を舐めろ、です。大人の味を教えてあげます」友人も、家族も断ち切って、世間から孤立する。進と理々だけの秘密の共犯関係―“楽園追放計画”が始まった。目を背け、逃げ続ける。ふたりだけの幸せを信じて。第30回ファンタジア大賞“審査員特別賞”受賞作。
著者等紹介
長友一馬[ナガトモカズマ]
宮崎市出身。大阪芸術大学卒業。第30回ファンタジア大賞で「青春失格男と、ビタースイートキャット。」が“審査員特別賞”を受賞。株式会社エレファンテで、ゲームシナリオなどを書く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
39
桜の木から落ちてきた宮村花恋と運命的な出会いを果たした野田進。なのにそんな幸せを実感できない彼の前に、エキセントリックな孤高の天才児・西條理々が現れる青春小説。進を青春不感症と指摘し、楽園追放計画に誘う西條との恋心とは呼べない背徳的な関係。一方で真っ直ぐないい子だとは思うものの、なぜか心動かない花恋との関係。不器用にしか生きられない彼らの最低の選択が皮肉にもその心境に変化をもたらしたりで、これから三人の関係がどのように変わってゆくのか、読む人を選びそうな作品ですが自分はその結末を読んでみたいと思いました。2018/05/19
芳樹
28
天才で他人から理解されない少女・西條理々と、恋も友情も理解できない少年・野田進。"普通"になれない二人が、お互いだけの閉鎖された「楽園」を求め、倒錯した思いを抱えながら自分たち以外の全てを否定しようと足掻く物語。彼らの心の奥底にある感情や思考は恐らく同じく思春期を過ごす方にしか共感できないと思いますが、とうにその年代を過ぎた自分にも彼らの悲鳴のような思いは伝わってきます。野田に思いを寄せる宮村花恋との存在も相まって、ドロドロと感情が入り交じる展開は痛々しくも、これも青春の一つの形であると感じました。怪作。2023/03/24
BUNBUN
20
個人的にはとても面白かったんですけど、苦手な人か多いし気もする内容でした。普通の高校生活が送れない2人のドM、ドSに目覚めていく物語かな。 恋花も含めた今後の展開もきになりますね。 ヒロインが2人とも魅力的でよかったです。2018/07/28
たこやき
19
どうしても、変態性癖描写に目が行ってしまうのだけど、進、理々の想いに共感できる部分があった。クラスメイトに遊びに誘われても、女の子に告白されても、先立つのは「面倒くさい」という気持ち。でも、付き合うのは「何か変わるのでは?」という期待。そして、理々から拒絶せよ、と言われても、そこでのトラブルを考えると……。そういう部分の心境はよくわかる。そして、理々もまた……。そこまでは良かったのだが、何か物語は中途半端に終わってしまったし、進むが……ってのも変態だったから、で説明できる気がしてしまった。2018/06/08
真白優樹
18
普通の幸せに満足出来ぬ少年が、孤高の天才の少女と出会い共犯関係となる物語。―――切り捨て続けて、最後に残るは君との絆。正直に言おう、正に怪作である。ラブコメという世界に反逆と挑戦を叩きつける物語である。青春不適合者な2人が、周りを振り回し傷つけ、切り捨てる。だがその根底にあるのは真っ直ぐな青春の悩み。彼等のしている事は傍から見ると最低な事なのかもしれない。だけど彼等は真剣。そのギャップと緻密に描かれた信仰にも近い何かが誰も見た事無い物語を産んでいる。正に作者様は狂人か天才のどちらかである、いい意味の方で。2018/05/19
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