出版社内容情報
二人の距離を、想いが超える。これは384,400キロメートルの恋愛物語幼いころ僕が出会った外国の女の子ユーリヤ。子どもながらに生き難さを感じていた僕たちは、見上げる月に憧れの世界を抱き、やがてその夢の実現を目指す。でもそれは、二人が離ればなれになることを意味していて――
七瀬 夏扉[ナナセ ナツヒ]
著・文・その他
吉田 健一[ヨシダ ケンイチ]
イラスト
内容説明
幼いころに出会った外国の女の子ユーリヤ。彼女は僕にとって特別な女の子で、小さな世界の女王だった。彼女は僕を「スプートニク」と呼び、二人で月を見上げて、国境のない静かな世界に憧れた。そんな僕たちも、少しずつ大人になっていく。やがて彼女は気づいてしまった。自分が特別ではないこと、けれどみんなとは違うこと。そして彼女の抱える病が、宇宙への夢を閉ざしていることに。だから、あの月の綺麗な夜―僕は思ったんだ。僕が君を月に連れて行くんだって。もう君を、ひとりぼっちにしないために。
著者等紹介
七瀬夏扉[ナナセナツヒ]
東京都出身。Web小説投稿サイト「カクヨム」への掲載作品「ひとりぼっちのソユーズ」が人気を博す。当該作を改題・加筆のうえ書籍化した『ひとりぼっちのソユーズ―君と月と恋、ときどき猫のお話』にてデビューとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
63
初版発売時に独特のタイトルに興味を惹かれたけれど見逃して、1年ぐらい後に思い出して探してた作品。『よくできました』。主人公である“ぼく”と月を目指すヒロイン・ユーリヤの幼い出会いから始まる切ないボーイミーツガール。ツンデレヒロインを追いかける内向き主人公の回想という形で展開する物語は、イライラしそうで意外といける微妙なバランスで俺には合ったけれど、他の感想を見るとかなり評価が別れる模様。もとが文庫にしたら100pに満たないぐらいのWeb小説なことを考えるとよくここまで膨らませたものですね。2019/06/02
★Masako★
42
★★★+月が、星空が、宇宙が目の前に現れ広がっていく。「あなたは、私のスプートニクになるの」「僕」が小学生の頃、初めてユーリアに出会った時に言われた言葉。宇宙飛行士になり月に行くことを夢見ていたユーリア。ユーリアの後ろでその夢を一緒に見ていた僕。「僕はユーリアの為に何が出来るんだろう」離れ離れになっても大人になっても変わらない、一途でひたむきな「僕」の思いに胸が揺さぶられる。「ユーリアが待っている月にユーリアを連れていく」それが二人が交わした最後の約束…。爽やかで切なく素敵なボーイ・ミーツ・ガールだ♪ 2018/01/25
よっち
40
幼いころに出会ったハーフの女の子ユーリヤ。僕をスプートニクと呼ぶ彼女と月を見上げて宇宙飛行士に憧れた夢。そんな二人の成長を描く物語。どんどん成長するスプートニクと生まれつき身体が弱い彼女とのすれ違い。遠く離れ夢に向けて突き進むユーリヤとの再会と、焦燥を覚えつつ遅ればせながら夢を追いかけることを決意したスプートニクの思い。彼女との距離がどんどん遠くなっていっても、お互いかけがえのない存在であることは変わりなくて、素直になれない彼女にきちんと向き合ったスプートニクの覚悟には本当にぐっと来るものがありました。 2017/12/15
とくけんちょ
38
宇宙を目指すボーイミーツガール。どこかで聞いたことがあるような、やや鼻に付くようなセリフ回し。ここが好き嫌いを分けるポイントか。それが気にならないのならば、胸を清涼感で満たしてくれる。やきもきもするけど、直向きに一直線って素晴らしいものだとあらためて感じさせられる。純粋さを忘れた大人たちへ2018/10/10
寂しがり屋の狼さん
33
父親の影響で月に行くことを夢見る少女『ユーリヤ』と彼女の引力に引かれ彼女の衛星【スープートニク】となり共に月までの384,400kmの距離を走り続けた少年の物語。幼い頃に交わした約束に人生の全てを捧げた2人の想いが伝わる素敵な作品でした(*^.^*)国境線の無い世界…そこに神様はいたのかな。夜空を眺め月で踊る2人の姿を思い浮かべ、その答えを聴いてみたくなった…you copy?2020/02/01