出版社内容情報
幼い頃からエースとして活躍し、幼馴染みの武蔵と甲子園を目指していた勝利。しかし、怪我によってその夢は潰えてしまう。野球を嫌いにもなれず、自分の居場所を探す勝利が見つけたのは、古ぼけた応援旗だった――。
内容説明
千葉県の野球強豪校、西陵学園。リトルリーグの頃からエースナンバーを背負っていた勝利は、高校でもエースとしてチームを引っ張っていた。…半年前までは。故障で野球が続けられなくなり、部も辞め、幼馴染みで主将の武蔵とも険悪なまま3年に進級した勝利。そんな彼の目に飛び込んできたのは、埃を被った深紅の応援旗だった。野球を嫌いになれない勝利は応援団として甲子園を目指そうとするが、武蔵はそれを野球との決別と感じてしまい―。この夏は、一度きり。全力投球の青春物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツバサ
5
読み返さないだろうけど、良い読後感でした。2017/08/19
なぎ
5
怪我により挫折を経験した元野球部エースが今度は応援団となって野球部を支えていこうと決意するまでのお話。勝利の野球に対する真っ直ぐな気持ちを眩しく感じました。だからこそ自暴自棄になってしまうのも仕方ない。応援団を結成して武蔵達を支えようとよく気持ちをスライド出来たなと思います。悩む勝利を支えた陽太郎や彩夏との友情関係も素敵。しかし武蔵の勝利に対する執着というか友情が深いですな。最後に二人で野球をして互いの夢を語り合いながら泣く場面が印象的。勝利の「俺を甲子園に連れていけ!」が良かった。2017/08/15
格子
3
僕は小中学生の時に野球をやっていて、高校生になると坊主が嫌でやめた人間だ。本当はそんなに野球が好きじゃないってことを自分では気づいてたので間違った選択じゃなかった。今も試合観戦すら滅多にしない。 でもこの本を読んで、野球をしてた時の一場面一場面が蘇った。当時頑張ってたのは確かで、今の自分を形成する重要な時間だったんだなあと思わせてもらえた。 2020/02/11
bluets8
3
故障で挫折した元エースの少年が立ち直る様子を描く青春小説。一緒に応援団をやることになる仲間二人のアドバイスや行動に引っ張られる形で復活していく主人公の姿が微笑ましい。と、親心で読んでしまった。もう一つの大事な要素として、ずっと一緒に野球をやってきた親友との関係の変化と変わらぬ友情の話があるのだけど、こっちがちょっと……。親友・武蔵がBLかつメンヘラっぽくて受け入れ難い。2017/08/16
健至武
2
エースが期待以上だったので、読んでみたけれど応援団云々の話ではなく、主役とその幼なじみの話のような・・・。主役も含めてどのキャラもよかったし、ボーイズラブっぽくなるのも大いに結構だけれども、何人も魅力的なキャラクターが出てくるのに、何か幅が狭すぎる感じがしてもったいないような・・・。2019/11/28