出版社内容情報
「朝ごはんは、ぜったい一緒に食べよう」それが僕らひよっこ家族の約束無精な俺が、毎朝慣れない料理を頑張るのには理由がある。それはミチルと約束したから。兄さんの遺したおしゃまな一人娘ミチルと、バイト暮らしの売れない小説家の俺。半人前な二人が、朝ごはんでつながる家族物語。
汐見舜一[シオミシュンイチ]
ぶーた[ブータ]
内容説明
バイト暮らしのしがない小説家の皐月が、毎朝慣れない朝食づくりを頑張るのには、理由がある。兄が遺したちょっとおしゃまな一人娘ミチルと一緒に暮らすようになったから。朝食を一緒に食べると約束したから。しかし、皐月は兄が死んだことをいまだにミチルに伝えられないでいた。ミチルを悲しませたくない気持ちから、皐月は思わず好き嫌いを克服したら兄が帰ってくると嘘をついてしまい―。納豆トースト、にんじんケーキ、きのこたっぷりカレー…。朝ごはんでつながる、半熟家族物語。
著者等紹介
汐見舜一[シオミシュンイチ]
1990年生まれ。栃木県出身。第3回富士見ラノベ文芸大賞審査員特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズ
58
交通事故で亡くなった兄の葬儀に出席した小説家の皐月は、兄の隠し子であるミチルという四歳の少女と出会う。ミチルを厄介者扱いし、施設に送ると言い放った母に憤った皐月はミチルを引き取り、六畳一間のボロアパートでの慣れない子育て生活を始めるが……。好き嫌いの激しいミチルのためにケーキの生地に人参を混ぜ込んでみたり、好き嫌いを克服するための物語を書いてみたりしながら、ミチルに美味しいご飯を食べさせたいと努力する皐月の姿が好印象で、彼を慕うミチルの笑顔も素敵。幼い子供に両親の死を理解して貰うのは難しいですよね……。2017/05/16
coco夏ko10角
24
うぅ~ん…。経済力も家事力も無いのに一時の「可愛い」や情で子供を育てるのは…。他にも主人公に対してイライラ・モヤモヤする部分が多くて。確かに言い方がきついところはあるけど、母親の方が現実的にミチルの今後のことを考えてると思ってしまう。2018/06/07
よっしー
22
やわらかなタッチの表紙絵にひかれ、手に取りました。兄夫婦の死と同時に判明した姪っ子。バイト暮らしな上、子育て経験も無い状態で小さな子を引き取るというのは、無謀としか言い様がないですね。大家さんがまともな大人で本当に良かったと思います。紆余曲折の末、結果としては丸く収まった感はありますが、主人公の将来と含めて不安要素しか感じられない間のラストでした。読み物としてはありだけど…現実味は無い感じです。2024/04/16
AKI
19
読後感は悪くはないのだけれど、独身の男性がいきなり五歳の子どもを引き取って一緒に暮らすのは無理でしょ~って思ってしまった。実の子でさえ大変なのに(笑)主人公が料理する食べ物は美味しそうで読んでいて良かったけれど、偏食の五歳の子に食べさせるにはハードル高い食材だよね。あと生活費に困っているのにディズニーランドに連れていくのも💧ミチルの言動にも五歳児としては無理があったり、主人公が真相に気付くのが遅かったりとツッコミ所が色々あったけれど、嫌いではないかな。2018/12/30
メルル
17
兄夫婦が亡くなり、その子どもであるミチルを引き取ることにした皐月。好き嫌いの多いミチルと手作りの朝ごはんを食べて苦手の克服に挑む。行き当たりばったりで引き受けちゃうところは、責任感の無さを感じるが気持ちは分からないでも無い。でもやっぱり収入を考えると無茶したよね。どんどん皐月の料理の腕が上がっていき、ミチルの様々な感情で心がいっぱい満たされていく様子がとても良かった。ほんのちょっとしたことが幸せ。この物語では徹底的にあの人が嫌いだった。そんな言い方無いでしょ。あとでどんなに取り繕っても無理なものは無理。2017/10/01