富士見ファンタジア文庫 いま、ｎ回目のカノジョ

小林 がる【著】

ＫＡＤＯＫＡＷＡ（2016/12発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 292p／高さ 15cm
• 商品コード 9784040721675
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

キミと同じ時間を何度も過ごす。それも悪くない――そう思ってた刻坂詩音と一緒にいると、よく時間ループに巻き込まれる。大変なときもあるけど、僕はそれなりに楽しんでいたんだ。でもループの新たな被害者・神崎さんの登場で、僕のループしがちな青春は騒がしくなっていく――

小林　がる［コバヤシ　ガル］
第22回ファンタジア大賞特別賞受賞。「噛みつけ！　アンノちゃん。」「ギルティブラック＆レッド」を執筆。

Ｔｉｖ［ティブ］

内容説明

「人生をどこからやり直したい？」なんて退屈な会話にありがちだけど、それまでの成果がゼロになるって想像してないよね？頑張った高校受験だったり、やっとできた恋人だったり、うまく書き上げた小説だったり、ね。本当にもう一度、やる？僕がときどき巻き込まれる時間のループはたった五分とか数週間とかその程度。でも体感時間で二年分も経験すればある種の心境に達するさ。「ループに遭遇してもじたばたせずに、やり過ごせばいい」。可愛い幼なじみの詩音も一緒だし、そんな青春も悪くない、なんてね。でも転校生の神崎さんは全力でじたばたする人で、僕の青春は彼女にも巻き込まれるようで―

著者等紹介

小林がる［コバヤシガル］
第二十二回ファンタジア大賞で特別賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

幼馴染の刻坂詩音が巻き起こすループにたびたび巻き込まれる毎原和人。無自覚に唐突に繰り返される日常を諦めて受容していた和人たちの前に、同じくループを自覚する転校生の美少女・神崎が現れるループ系青春小説。ループを引き起こすのに認めない天然な詩音と、いろいろツッコみつつも幼馴染のために奔走する和人、一見クールビューティなのに実は口下手で不器用な神崎のやりとりがじわじわくる感じで、繰り返されるドタバタで楽しい日常を許容しつつあった彼らに起きるひとつの転機と真相はきれいにまとまりましたが、続巻がとても楽しみですね。

2016/12/21

[ナギ]

好き嫌いはありそうな日常ループモノでした。私はハルヒのエンドレスエイトが苦痛だったのでどうしても苦手なタイプだったです。何か驚きのような展開があればまた違ったかなと思います

2020/11/22

[たこやき]

タイトルの通り、ループものなのだけど、日常のちょっとしたことが繰り返されるところが特徴か。ある目的を達しないとループが収まらないのだが、それが何かわからない。わかっても困難だったり。だんだんと、強引になったり、慣れちゃったり、って自分が巻き込まれたらそうなるだろうな……。一番、笑ったのはジェットコースターを延々繰り返す話。……いや、絶叫マシン好きでも、何十回も繰り返したら……そりゃあ、ねぇ……（笑）

2017/04/06

[彼方]

オススメのパフェを食べてほしいのに在庫切れ、お腹の音が恥ずかしかった…etc。ちょっとした後悔でループを起こしてしまう幼馴染み詩音。そんな日々をやり過ごして過ごす毎原の前にループを知覚する転校生がやってくる、日常系ループもの。この手のループものでは個々の理由が軽く、またコメディ色が強いせいで最後にしんみり展開がきても積み重ねが薄くて何だかなぁ…。現象のきっかけとか、もっと詩音を深掘りするかいっそ完全にコメディにした方がしっくりきたかも。タイトルで気になったのに、期待してたものとは全然違うのもので残念…。

2022/05/24

[リク@ぼっち党員]

まあ、何はともあれループしようぜ！ ループ作品は数あれど、これだけ何もないループものは初めてなんじゃないだろうか。命の危機がある訳でもすごい問題が起こってる訳でもなく、何なら時間経過で終わるループって発想が面白い。 ループに対して達観してる毎原くんと何とかしようと空回る神崎さんの対比がよかった。ジェットコースターには笑った。

2016/12/23