出版社内容情報
皇帝に新たな寵姫登場!? 揺らぐ後宮に、小玉は――?
文林が謝充媛のもとに足繁く通うようになった。「文林に新たな出会いをあげよう計画」が成功したと喜ぶ小玉だったが、後宮内は微妙な空気に……。そこで小玉は二人のもとに自ら赴き、ある決意を表明する――!?
内容説明
不世出の軍人と誉れ高い小玉が、かつての相棒で現皇帝・文林の願いで皇后となり、二年が過ぎた。後宮では大規模な人員整理が行われ、多くの娘達が後宮を後にすることに。小玉は文林に新たな出会いをと、娘達と目通りの場を設けるのだが…。「右から二番目の娘、名は」謝月枝に目を留めた文林に、荒れる後宮。憤る取り巻き達。小玉は二人のもとに赴き皇后位の返還を表明するのだが、話はそれだけで済まないようで―?戦火のあがる馮王家の城から、過去と運命が動き出す!
著者等紹介
雪村花菜[ユキムラカナ]
2014年、第二回富士見ラノベ文芸大賞にて、応募作『生生流転』が瑞々しい人物描写と軽妙な会話劇、緻密な舞台設定を高く評価され、金賞受賞。改題及び改稿した『紅霞後宮物語』で作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっか
83
号泣。号泣に次ぐ号泣でした。小説でこんなに泣いたの、思い出せないくらい久しぶり。同じくらいの子を持つ母として感情移入しまくってしまったのか、まさかこんなに泣くなんて…最後の麺屋のおっちゃんの対応、文林の所作に、しまりかけていた涙腺がさらに崩壊しラスト50ページは結局ずっと泣いていた気がします…謝月枝のところでもホロッと来たのに、衝撃はその比じゃありませんでした。これによって小玉は何か転機になるのかな…終盤以外は相変わらずコミカルで、ちょっと抜けてる小玉笑える、清喜やっぱり好き、赤くなる文林萌え!でした。2018/07/15
あっか
68
新刊(11巻)を読む前に復習の再読祭り中。あー再読でもやっぱり泣いた。無理…堪え切れない…むしろ読み始めから憂鬱だったくらい。このシリーズの中で1番読むのが辛い巻かも知れない。従卒の「我々が発見した折には…」…という報告で浮かんだ情景に、何度でも涙腺崩壊する。最後、清喜や文林とのやり取りのコミカルさで一瞬明るさを取り戻したけど、最後の最後、麺屋のシーンでまだ涙涙。思い出しても鼻の奥がツンとするわ…この巻の裏テーマは母親、かな。色々な方、色々な立場の母親達が模索しています。2020/06/17
さくらさくら
55
う~ん。悲しい。この第三幕の読了後『カクヨム』に明慧視点の物語がある事を知り読んでみた。少しだけ気持ちが救われた。2019/04/23
ゆき
53
諸事情で遅れて入手した第三幕。一巻からして明るさとほの暗さが同居してる話でしたが、今回は特にその落差が激しいです。一方で何かを得て一方で何かを失うという無常感、この物語だけでなく現実でも、いつも朗らかに笑っているように見える人も様々な哀しみを抱えているという当然のことを再認識させられる話でした。言葉にすると陳腐になってしまうけれど… 最後のシーンが印象的でした。1、2巻もそうでしたが、この作家さんのラストシーンの言葉選びというか雰囲気というか、語彙がなくて上手く言えないけどとても好きです。2016/02/13
よっち
48
小玉が「文林に新たな出会いをあげよう計画」を推進し、人員整理で見つけた謝充媛のもとへ文林が足繁く通うようになった結果、後宮内の空気が変わる第三弾。どうも小玉のやること考えることは理解できなくはないけど少しズレているというか、お互い相手のことは分かっていると思うからこそ、微妙なすれ違いが重いですね。二人の立場ではそうせざるをえないと分かっていても、それによって大切なものが失われる現実を突きつけられた今回、最後の麺屋の出来事が切なく、救われる気持ちにもなる場面でとても印象的でした。次巻も期待して待っています。2016/02/11