出版社内容情報
妖怪絵を得意とする絵師、安心院多聞。その絵はまるで生きているようだと評されるが、それもそのはず。彼が使う筆には秘密があって――。いまも生まれる“妖怪(あわいもの)”。その一瞬の邂逅を、絵筆で切り取る。
内容説明
京都は四条寺町商店街に居を構える古書店「大書院」。作中作務衣で店番をするのは、“妖怪絵師”としてその道では有名な安心院多聞。今にも動き出しそうと評判の妖怪絵だが、彼の絵筆にはある秘密があって―。いまも生まれる新しい妖怪たち。年下の従姉妹・瑞希の持ち込んでくるあわいものと人間の邂逅を、多聞は不思議な絵筆で解決する。現代京都のやさしい妖怪図巻。
著者等紹介
朝戸麻央[アサドマオ]
第7回角川ビーンズ小説大賞優秀賞&読者賞受賞作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
22
「あわい」って何だろうと思いながら手に取りました。妖怪であったり不思議なもの…の総称みたいな感じなのかな? センセと瑞希、不思議な物と対話できるけれど、10年前の謎の狐面との遭遇からお互いに一歩踏み込めない関係になっていました。ただ、トラブルの結果、今の姿をお互いに認められて一件落着なのでしょうか。やや分かりにくいと感じる所もありましたが、面食いの衣笠が良い味を出していて、面白く読めました。2022/11/14
木冬
8
純真無垢な少女と、少女を見守る親戚の青年。視える、聞こえるということは周囲に理解されにくく故に性格がひねくれがちなものなのだけど瑞希ちゃんは素直で可愛い。普通に友達もいて、かといって他の人には視えない者に対しても親切に接していていい子だなぁと。センセもそりゃ心配になるよなぁ、とも。メイン二人の関係性や物語そのものももちろん面白いのですが、なんといっても一番は衣笠さんですかね……。可愛いし憎めないのに、ちょいちょい大人というか悟っているというか。物語も原因や解決策がそれぞれきちんとまとまっていて面白かった。2015/08/25
Masaaki Kaneda
7
地元が舞台なので風景も浮かんできて楽しく読めました 短編なので読みやすかったです シリーズなのかと思って買ったら完結してました…2017/09/26
サラ
7
富士見L文庫お得意の京都の妖怪もの。全体的にこじんまりとした話で、キャラの掘り下げも上澄み程度。キーアイテムの魂ごめの筆を一回しか使ってないのが惜しい。でも写真や人物画の顔を食べる面食いや足を引っぱる帯の蛇など、オリジナルの妖怪が登場するのは珍しいかも。描いた妖怪を封印・使役できる絵師のセンセこと多聞とそのはとこの女子高生瑞希、面食いの衣笠さんの会話が軽快で面白い。瑞希のことを妹のように可愛がる多聞と、彼のことが大好きすぎる瑞希の近くて遠い関係性が微笑ましい。こんなおにいちゃんがいたらそりゃ好きになるわ。2017/08/10
フジ
6
結構楽しめました。登場人物も良い。とくに衣笠さん。大活躍。ほかにも、衣笠さんのようなマスコット的な妖怪が出てきたら楽しいだろうなぁ。もっと多聞が使役しているのも見たい。でも妖怪モノは、やっぱり絵も見てみたくなりますね。それ故に、表紙の衣笠さんにヒゲがないのが気になってしまった。2015/10/17
-
- 電子書籍
- [新版]日本の民話 第42巻 福島の民…
-
- 電子書籍
- わたしの味 選びに選んだ80のレシピ …