出版社内容情報
古寺織物に勤める原画師の早苗と刺繍師の瑞穂は、性格も見た目も正反対の兄弟。二人はある日、人にとり憑いているという刺繍の検分を依頼される。一族に伝わる刺繍の「秘術」で事件を解決しようとする二人だが……
内容説明
文明開化の風吹く煉瓦造りの銀座の街。古寺織物で働くお人好しの原画師・早苗と、天才肌で我儘な刺繍師・瑞穂は、血は繋がっていないが二人きりで暮らしてきた兄弟だ。二人には秘密がある―早苗が描き瑞穂が縫った刺繍には、魂が宿り具現化するという秘密が。兄弟はある日、いわくつきの刺繍ばかり蒐集している城下子爵から、人にとり憑いているという奇妙な刺繍の検分を依頼される。それは能の『道成寺』を描いたもののようなのだが、破損し“清姫”が失われていた。早苗は瑞穂の秘術で彼女の修復を提案するが―。
著者等紹介
史間あかし[シマアカシ]
第1回ラノベ文芸賞金賞を受賞し、「町医者風尹の謎解き診療録」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
35
明治の世を舞台にした、血がつながらない兄弟の物語。兄は原画師、弟は刺繍師というちょっと変わった設定と、当時の風俗が丁寧に書かれた点が面白かったです。最初こそ弟の瑞穂の性格や口調がしっくりこなかったのですが、読み進めるうちに慣れました。続編を希望します。2015/08/05
ううち
14
前作の『町医者風尹…』から比べると、登場人物もエピソードもかなり絞り込んだ印象です。時代背景や原画師の兄と刺繍師の弟が一族に伝わる刺繍の秘術で事件を解決していくというストーリーは、能が絡んでいたりとなかなか奥深い。駒子さん、兼高さん、兵庫さんのエピソードがもうちょっと作り込みされていたらもっと魅力的になりそう。お父上の考えた兄弟の名前のエピソードが素敵でした。ちなみにダブり買い(´Д` )2015/11/25
maiko
6
文化や時代背景などが緻密に描写されているのに、場面やキャラクターの行動や感情の描写が疎かになっていると感じた。また、場面展開をキャラの台詞に頼ってしまっている部分もあり話の進め方が唐突なうえに誰のことを表現しているのか、誰の台詞なのかというのも分かりづらく、正直、話に入れなかった。設定は面白かったけれど、全体的に纏まりのなさを感じるし…設定を活かしきれてない部分が多くて…読み進めるのがしんどかったので続編あっても読むかは微妙…。2015/10/25
agiagi
6
時代は明治、舞台は銀座。織物屋で、原画師をしている兄.早苗と刺繍師をしている弟.瑞穂の兄弟の話。曰く付きの刺繍ばかり集めている城下子爵から、人にとりついているという奇妙な刺繍の検分を依頼される。この依頼は兄弟の秘密を暴露される危険性をはらんでいる…。時代背景も私好みなら、この時代の職人の技、兄弟や幼なじみとの情、そして…能や浄瑠璃などの話もあってよかった(^^)2015/06/29
紅羽
5
明治時代を舞台に織物店で原画師の早苗と、刺繍師の瑞穂の血の繋がらない兄弟が不思議な力で、怪異を解決していく和風ファンタジー作品。全体的に面白かったのですが、兄弟の口調がほぼ現代風で、たびたび舞台が現代である事を忘れてしまうくらいでした。続編はあるのかな?2025/09/14
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