出版社内容情報
京都に居を構えるお香専門店《香魅堂》。「霊なんて存在しない」と言い放つ、慇懃無礼な十代目店主・辰巳のもとに持ち込まれるのは、やっかいなオカルト事件ばかりで……。霊感ゼロの辰巳は、どう解決するのか!?
内容説明
千年の都、京都に居を構えるお香専門店“香魅堂”。異常に優れた嗅覚を持つ人間嫌いの十代目店主・辰巳は、「霊なんて存在しない」と言い放つ霊魂否定派なのだが、なぜか彼のもとにはオカルト事件ばかり持ち込まれ…。それもそのはず。香魅堂は代々お香で心霊現象を鎮める「除香師」を生業にしているのだ。しかし、霊を視ず、霊を信じない辰巳は、どのようにして事件を解決するのか―?香りたなびく京都オカルト奇譚。
著者等紹介
羽根川牧人[ハネカワマキト]
島根県出身。第25回ファンタジア大賞にて金賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カナン
56
本当に幽霊が見える麻衣と、そんなものはいないと容赦なく切り捨てる香魅堂十代目の辰巳と、煩悩を捨てる気など毛頭ないダメ若坊主な清風。この三人がわちゃわちゃしながら京都の街に潜む魑魅魍魎たちの問題を「香」で解決してゆきます。香りが全ての謎の鍵となるという着眼点は面白いのでもっと貪欲に掘り下げて欲しいと思うんだけど、このレーベルでは難しいかな…。美形の店主とそのバイトという定番の組み合わせですが、慎重派で大人しめのヒロイン麻衣ちゃん、実は切れると男にグーパンも入れられるタイプだと知ると結構好きになりました(笑)2016/01/20
佐島楓
47
最初こそ似た先行作品がいくつかあるなあ、と思いながらの読書でしたが、最終章の展開がよかった。物語を締めるのにいい展開でした。続編の刊行も決定しているようです。2015/05/29
ぐっち
30
霊感ありすぎの麻衣がバイトすることになったのは、京都の路地裏の香魅堂。香りにだけこだわりすぎる主人のもとには不思議な事件が持ち込まれ…。例のトリックにだまされつつ、なかなか楽しく読みました、辰巳より清風のほうが付き合いやすそうだけど。続けて続巻へ。2018/12/24
ううち
29
除香師という変わったお仕事に、香道に関するウンチクも詳しく書かれていて、辰巳さん、麻衣ちゃん、清風さんのやりとりがテンポよくて読みやすかったです。あまり京都っぽくはなかったけれど…。辰巳さんの決め台詞にニヤニヤしちゃいました。2015/08/12
すみの
27
凄く視えてしまう質のJD麻衣が嫌々アルバイトすることになった京都のお香専門店『香魅堂』。店主の辰巳は嗅覚冴える除香師としても心霊現象を鎮める副業を持つが、本人はいたってこの霊だとか妖の類いの存在は信じていないし、視えない(笑)。この辰巳の友人で松然寺住職の清風、清水焼の見習い・晶を加えて良いチームを作っていきそう。辰巳と白亜という女性をとりあった兄・戌亥との関係が気になり、この兄弟の確執、因縁めいたこれから起こるであろう出来事に期待。2016/07/12