出版社内容情報
訳あって故郷の越後新発田を離れ、江戸で『よろず相談所』の看板をかかげ、喧嘩の仲裁をして小銭を稼ぐ好漢・中山安兵衛の人情と啖呵に彩られた活躍を描く物語。「駆け落ち騒動」「仇討指南」他全5編を収録。
内容説明
父と姉の無念を晴らさんと越後新発田を出奔した中山安兵衛。江戸は浅草の長屋に「よろず相談所」の看板を掲げ、日々の糧と酒代を稼いでいるが、世話好きのおかん婆さんが持ち込む喧嘩仲裁の仕事が、とんでもない事件へと安兵衛を導く。藩の御家騒動、三年越しの仇討ち、寸借詐欺をして旅を続ける親子武芸者…。持ち前の腕っ節の強さと気前のよさで人間の裏面や男女の機微に触れ、男を磨いていく若き日の堀部安兵衛とは。
著者等紹介
亀かずお[カメカズオ]
1958年生まれ。幼少期を東京池袋、岐阜県可児郡、学生時代を京都で過ごす。フリーライターを経て、舞台・映像・テレビ番組の脚本、演出、プロデューサーとして活躍。『ぐでんに候―けんか安兵衛事件帖』が小説デビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あさい
3
堀部安兵衛がまだ堀部安兵衛になる前、中山安兵衛だった頃、江戸の喧嘩に首を突っ込んでは小銭稼ぎをしていたお話。情報屋といいおかん婆さんといい、出てくるキャラがみんな憎めなくて良いキャラしてる。しかし別にこれ堀部安兵衛でなくても良いのでは?と思うぐらい史実の話は絡んでこない。腕が立つ、気の良いが飲兵衛の浪人が、江戸で喧嘩仲裁の役目を果たしてやっている日常の話として見るのが良いのかも。土曜日やってる1時間ぐらいの1クール時代劇のようで面白かった。2016/03/29
鈴木正大
0
赤穂浪士の堀部安兵衛の若き日々を描く。堀内道場の四天王にして喧嘩の仲裁が生業で無類の呑兵衛、人呼んでケンカ安。五代綱吉時代の江戸の人情がユーモアタップリに写される。2015/04/27