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内容説明
ゴミを拾って暮らす少年ラファエルは、ある日小さな鍵を拾う。その鍵は、国家を揺るがす秘密を握っていた!せまる警察の手をすり抜け、少年は仲間たちとともに知恵をはたらかせながら、真実へと近づいていく。スリルと感動に満ちた物語。
著者等紹介
ムリガン,アンディ[ムリガン,アンディ] [Mulligan,Andy]
作家。南ロンドン生まれ。10年間演劇製作にかかわったのち、インド・ブラジル・ベトナム・フィリピンで英語を教えた。イギリスに戻った現在、小説執筆に専念している。『Ribblestrop』3部作の第2部『Return to Ribblestrop』は、ガーディアン紙によって「2011年度最優秀児童書(フィクション部門)」に選ばれた
高橋結花[タカハシユカ]
翻訳家。横浜市生まれ。早稲田大学卒。映画・ドラマの字幕・吹き替え作品も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yu
33
久々に海外文学を。何より表紙に惹かれてしまった。そして正解。 ただ、大袖を振って人に薦められるかは微妙なところ。今自分が生きている日常と、作品の舞台になっているとあるアジアの極貧地帯とを比べてしまうと、言葉にできない苦しさがこみ上げてくる。歩けるようになったそばから、当たり前のようにゴミ拾いをして生きていく子供達。劣悪と一言ではいい表せない環境で育った彼らの手にしたモノ。ラファエル・ガルド・ジュンジュン・ピアの4人が幸せに、そして穏やかに暮らせていけることを心から祈らずにはいられない。2014/01/28
dr2006
31
トラッシュとはゴミ箱のことだ。厳しい内容だと覚悟はしていたが、グーグル・ストリートビューでセブ島のゴミの山と辺りの人々の姿を見てから読み始めた。翻訳だから人の手によるフィルタが掛かった描写とは言え、ある国の貧困と絶望に満ちた現実を思い知った。ゴミを拾って日々を暮らす3人の少年たちはある日、ゴミの山から一つの小さな鍵を拾う。その夜、警察が大勢捜索にやってきたことから、その鍵に重大な秘密があることを推測した。警察に鍵を拾ったことを隠した3人は、鍵の謎を解く冒険の旅に出る。随所で胸が痛くなるが読書感は悪くない。2023/12/18
max
13
社会の大きな意思の中では個人の小さな希望や意思は押し潰されてしまいがちだ。しかし、この物語のゴミの山で暮らす子供たちの小さな希望や行動、そして友情は、大きさではなく、その堅さでもってかたちある未来へと向かっていく。スリリングなやり取りもある冒険譚。純粋で清々しいラストは、「この本を読んでよかった」と思わせる満足感がありました。2014/03/30
鷹藤 森
9
読了後、爽快感でいっぱい。 正しく弱い者が、善良な弱きを助け、邪悪な強い者どもをやっつける。 こういう物語を毎日読んでいたい。2014/05/11
nightbird
9
MF文庫から出てるけど2012年カーネギー賞最終候補の児童書。南米の架空の国の貧困地区に暮らす3人の少年が謎のバッグを拾ったために権力者から追われることに。事件の図式はかなり単純化してあるのでちゃんと児童書として読めるけど、謎解きもサスペンスもあり貧困層の生活もしっかり描写されてて大人でも面白い。悪い子じゃないけどいかにも甘い外国人のお嬢さんがヒーローポジションじゃないのもいい。スイートなラファエル、大人びたガルド、意外と頼れるラットの主人公トリオが可愛い。 2014/02/09
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