出版社内容情報
数々の装画で知られる著者の初めての画文集。ベルギーのブルージュ滞在中に歩いた風景、そして心の奥底にひっそりとしまった印象を、絵と散文に描きおろした一冊。 一般むき
内容説明
旅から帰り椅子に沈んでブルッヘを思うと、鉛筆には路上の歌が次から次へと蘇り、机上には雲が湧き、塔がそびえ、懐かしい路地が幾筋も刻まれて、遠い口笛さえも聞こえた。望月通陽画文集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ochatomo
11
染色家・望月通陽(みちあき)さんが型染と手描き文でベルギーのブルージュ滞在を想い起こす画文集 大判が嬉しい 古い一枚の絵に心行くまで向き合うための滞在中、日々歩いて橋を渡り、霧や雨に包まれた 詩も画も夢幻の美しさ 『この次生まれ変わるなら 水で描かれた絵の中の 葡萄酒入りの古い壺』、『床に落ちた消しゴムと 道に降りた散歩家は ひとりでどこに行くのだろう』 フランドルの画家ヤン・ファン・アイク、メムリンク、ジェームズ・アンソールの名が挙げられている 2000刊2019/02/20
遠い日
4
望月さんがかつて過ごしたベルギーの古都ブルッへの思い出を、詩と染色の絵で綴った望月さんの初の画文集。おそらく望月さんの手書きの文字で書かれた詩には、彼の目というフィルターを通して、選りすぐられた風景が再現されている。霧に霞む街角、坂道、海、塔、そして異国の雨。しっとりとした空気と博物館の古い絵。散歩家というほどに町を歩き尽くし、暗い冬に溶け込んだ思い出。染色による絵は、アースカラーで落ち着いた味わい。具象と抽象のあわいに幻想が広がる。ボローニャ国際児童図書展ラガーツィ賞を2001年に受賞。2013/02/26
eucalyptus
1
カフェにて読了2014/03/03
ふゆうまれ
0
絵がすごくきれい 文字も覇気を感じさせない気だるさも ものすごくいい 大人の絵本 という感じで、ホッとさせてくれる 居場所があるような、そこにいたいような そんな感覚にさせてくれる 一冊です2021/06/22