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出版社内容情報
キツネツキの迷信におびえる子どもの姿の内面の動揺を追いながら、母子の強く熱い愛と信頼を感動的に描きます。新美南吉最晩年の傑作。 小学校中学年から一般むき
内容説明
月夜の晩、文六ちゃんは祭りにいく途中で下駄を買いました。その時、腰のまがったお婆さんが言ったのです。「やれやれ、晩げに新しい下駄をおろすと、狐がつくというだに。」それを聞いた文六ちゃんはびっくり。とっても心配になりました。下駄屋のおばさんが、すぐにマッチを一本するまねをして、文六ちゃんの新しい下駄のうらに触って、おまじないをしてくれました。「さあ、これでよし。これでもう狐も狸もつきやしん。」しかし、文六ちゃんの不安とおそれは消えませんでした。―本当に狐につかれるのではないか、狐になってしまうのではないかと―。小学中級以上。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にいたけ
30
新美南吉の実家は下駄屋さんなので「夜に下駄をおろすと狐につかれる」というお話を思いついたのでは?文六ちゃんは母に先立たれた南吉の気持ちを代弁し、継母に対して母というものはこうあってほしかったということを言っているように思える。数ある南吉の童話でこの話が一番お気に入りである。「なしになってしまうじゃないか!」が耳から離れない(喋ってないけど😅)挿絵も地元を取材して描いてあり(特に八幡神社のあたり)良かった。🥰2021/02/12
なると
19
[祭の夜「夜、新しい下駄をおろすと狐に憑かれる」と老婆に指摘され、お友達から疎外される文六ちゃん。家に帰り母に「ぼくが狐になったらどうする?」「父ちゃんと母ちゃんは人間をやめて 狐になりますよ」「猟師の犬に見つかったら?」「そしたら母ちゃんはびっこをひいてゆっくり行きましょう」「いやだったら母ちゃんいなくなるじゃないか」「でもそうするしかないよ」「いやだったら、いやだったら」と号泣の文六ちゃん]娘、文六ちゃんが仲間外れでかわいそうを連発。狐が出てこないね。えっ途中で終わり?と、泣く母の横でクールに言う。→2016/06/26
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
教育出版国語 4年生 【平成27年度教科書著者紹介本 令和2年度教科書著者紹介本】小学校2年生ブックトーク テーマ【国語科単元 きつねのおきゃくさま に合わせてキツネの本】 選書しましたが今回は見送りました。キツネ出てこない(笑)2019/07/16
うー(今年も遅くなります)
11
<絵本>子どもらだけで夜祭りにでかけ、下駄屋で新しい下駄を履き下ろした文六ちゃん。それを見たお婆さんの一言が子ども達の心の中に引っ掛かってしまう。迷信は人を惑わす。 文六ちゃんのおかあさんの深い愛情に 胸があつくなった。2020/05/03
のほほん
10
小学校3年生の文六ちゃんとお友だちはおばあさんが迷信をつぶやくのを聞いて、びっくりして少しこわくなりました。暗い夜道をお祭りから帰る途中不安はどんどんふくらんでいきます。そんな文六ちゃんにお母さんが話すことがすごい。どんどんこわがらせて、最後にお母さんが守ると言うのです。恐怖と信頼と安心で文六ちゃん絶対忘れないでしょうね。愛されて育った子は幸せです。2023/03/30