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出版社内容情報
地主のオツベルは、ある日現れた白い象に重労働をさせるが、象は疲れ果て山の仲間に助けを求める。賢治の民話風童話を油絵で描く。 小学校中学年から一般むき
内容説明
オツベルは、六台の稲扱器械と十六人の百姓どもを使う、やり手の地主だ。昼から、ビフテキだのオムレツだのを食べて、たいそう羽振りがいい。そんなある日のことだ。オツベルの稲扱小屋に、一頭の白い象が現れた。オツベルは早速、象をうまいこと言いくるめ、足に重い鎖と分銅をはめて、水汲みやら薪運びやらにこき使った。気のいい象は、喜んで働いたよ。だが、オツベルの度重なるひどい仕打ちに、象は心も体もくたびれ果て、山に住む仲間たちへ手紙を書いた。「みんなで出て来て助けてくれ。」―「…ある牛飼いがものがたる」の傍題が付された、宮沢賢治の民話風童話を、画家・遠山繁年が、油絵で描き、絵本にしました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マツユキ
7
絵本で宮沢賢治。中学の国語の授業でやりました。内容よりも、文章が印象に残っています。改めて読んでみると…。地主のオツベルの元に迷いこんだ白い象…。オツベルの良いようにされている白象が可哀想そう。オツベルが悪いんだけど、大したもんだと、オツベルを止められない人たちも、悪い。自分をあてはめるなら?2019/07/05
ochatomo
7
『オッベルときたら大したものだ』 度胸と無慈悲で金持ちになる 絵は遠山繁年さん (偕成社)1997刊2018/12/22
たっくん?号
6
宮沢賢治の不思議な世界観が苦手だったのだが絵本なら割と入りやすいかと読んでみた本。白くてキレイなぞうさんはお人よしさん。愚かな人間に利用されてしまう。過酷な労働を強いられたぞうさんの涙が切ない。仲間が(お月様)が助けに来てくれて本当に良かった。2014/07/06
いくっち@読書リハビリ中
4
文章だけで読んだ時はオツベルと白象の会話のみに集中してしまったが、絵を交えて読んでみると珍しい白象を運よく自分のものにし、白象を騙して(というか気づいていない)商売道具にし、大儲けするオツベルが手に取るようにわかった。白象に手を差し伸べてくれるのは神様で、悪いことをした人には罰が、信じる者には救いがあるということを伝えようとしているようだ。最後の一字抜けはどう想像してもわからなかった。絵本になっても言葉は宮沢賢治そのままだった。2009/08/08
ネオン
3
この年になって読み返すと現代の労働に通じるものがある気がしました。安い賃金でこき使われる使用人や白象、豪遊を繰り返すオツベル…現代の社会にも白象を助けてくれる仲間のゾウのような存在があったなら過労死が減るのかななんて思ってしまいました。2013/07/09
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