出版社内容情報
〈おれの恋は,いまあの百合なのだ。いまあの百合なのだ。砕けるなよ。 〉賢治作品の中でも極めて鮮烈なイメージの作品の初絵本化。 中学生から
内容説明
おれの恋は、いまあの百合なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕けるなよ。―一瞬の稲妻の閃光の中、くっきりと白く浮かびあがる百合に、ガドルフは強く願う。宮沢賢治作品のなかでも、きわめて鮮烈であり、忘れがたいイメージを残して貫いていく一編を、画家ささめやゆきが、はじめて絵本化。小学館絵画賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
169
「おれの恋は、いまあの百合の花なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕けるなよ」突然の黒雲、暗闇の稲光に青い幻燈。苛立ちと疲労の中に唐突な白さ。最初読んだ時はよく分からなくて、なんだか勝手にガドルフは馬だと思ってた。読解力どいひー(´-`) でも何度か読むと、確かに恋は稲光のなかの一輪の白い百合だ!と私のなかにも閃光が。 一瞬の煌めき、何ものにも穢れないしろさを見よ!その閃光は瞬きのうちに消えても、そのしろさは瞼に焼きついて消えない。2019/10/07
mii22.
64
【娘の本棚】青い楊、黒い家、白い百合、雷雨、稲光..と視覚や聴覚に訴える鮮烈な印象の絵本。白い百合のなんと気高く強く、愛らしいことか。私のストーリーの解釈は、喪失と再生の物語。「おれの恋は、いまあの百合なのだ。」一瞬の閃光のなかに浮かび上がる真っ白な美しい百合。これはきっと初恋だ。初恋は叶わなかった。しかし失恋を乗り越えた男はきっと心優しく強い男になれるはず。2019/10/05
よこたん
60
“間もなく次の電光は、明るくサッサッと閃めいて、庭は幻燈のように青く浮かび、雨の粒は美しい楕円形の粒になって宙に停まり、そしてガドルフのいとしい花は、真っ白にかっと瞋って立ちました。” 土砂降りの雨と雷鳴はガドルフの心にも吹き荒れている。一向にたどり着けない次の町、小馬鹿にされているようなへんてこな景色、くさくさした気持ちのなせるわざでもあろう。そして、ふと目を奪われた百合の花。ただそこで咲いていることが静かに頼もしい。百合は、匂ったのだろうか。難解な言葉が多かったが、声に出して読むととても楽しかった。2018/03/11
♪みどりpiyopiyo♪
53
間もなく次の電光は、明るくサッサッと閃めいて、庭は幻燈のように青く浮かび、雨の粒は美しい楕円形の粒になって宙に停まり、そしてガドルフのいとしい花は、真っ白にかっと瞋って立ちました。■宮沢賢治の幻想的なお話を読みました。絵は ささめやゆき さん。■不意に出会った ひっそりと咲く白い百合。ガドルフは強く願う。なにを? なにを? ■謎めいた言葉。鮮烈で忘れがたいイメージを残す一編でした。小学館絵画賞受賞作品。(初出不明。どなたかご存知でしたら教えてください。絵 1996年)2018/06/26
優希
45
独特の雰囲気のある作品でした。不思議な感覚を味わいました。2022/01/05
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