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出版社内容情報
忘れた手拭いを取りに戻った嘉十が見たものは、手拭いを囲んで相談しあう鹿たちの姿だった?。清々しくも心暖まる名作の絵本化。 小学校中学年から一般むき
内容説明
湯治に出かける途中のすすきの原で、うっかり置き忘れた手拭い。嘉十が取りに戻ると、何と六匹の鹿が寄ってきていておそるおそる近づいたり、あわてふためいてとびのいたり。やがて鹿たちは正体を知って安心し、高らかに歌い、踊りはじめます。その面白さに、思わず自分も仲間に入ろうととびだす嘉十。岩手・花巻周辺に今も伝わる郷土芸能「鹿踊り」その本当の精神を風から聞いたとして語られる民話風傑作童話。自然に対した人間の素朴な魂、ときにユーモラスな心情を捉えて画家たかしたかこがその繊細精緻な画風で絵本化しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
34
とても繊細な美しさが印象的な「鹿踊りのはじまり 」です。読み友さんがされていたように読み比べをしながら、では自分ならどの人の絵でこの東北の美しさとユーモアに満ちたことばが輝くかなあ…と思いをはせました。2021/06/15
ヒラP@ehon.gohon
27
嘉十の忘れてきてしまった手ぬぐいをめぐって、鹿の仲間たちが不思議なものを見るかのように、語り合い、恐る恐る触ってみるという、想像しても楽しいシーンが、踊りのように展開されます。たかしたかこさんの淡くて幻想的な絵に魅了されて、とても心地よい絵本です。2021/06/08
うーちゃん
24
今も花巻に伝わる郷土芸能"鹿踊り"の精神を、"わたくし"が風から聞いた、として語られる、素朴で美しい物語。秋深いすすき野原の光に満ちるようすや風の音色、鹿たちの愛らしい会話と踊り。場面のすべてが生のエネルギーに輝いていて、ああ賢治はほんとうに、白い炎のように燃える、いくむらものすすきの中に寝そべって、風からこの話を聞いたんだろうな、と信じることができた。秋から初冬にぴったりの一冊。同時にこれは、完璧なる鹿萌え童話。鹿に萌えたきゃ(?)これを読むべし。2017/09/02
さきん
23
農民が置いた団子と置き忘れた手拭いをめぐって鹿たちが会話し、歌う。特に教訓めいたこともく、江戸時代のほのぼのとした印象を受けた。現在また、鹿は増加しており、人間を怖がらない個体も今後出てくるだろう。2016/11/24
り こ む ん
23
宮沢賢治の色を使った風景の表現が美しく。独特の不可思議の中に現実もある世界が好きだ。6匹の鹿が見せてくれた仕草がとても微笑ましかった。2013/03/28
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- 将軍たちの夜 角川文庫