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出版社内容情報
兵十が病気の母親のためにとったウナギを、いたずら心から奪ってしまったごんは、つぐないに栗や松茸を届けるのですが…。新美南吉の傑作短編「ごんぎつね」を、黒井健が日本画のタッチで描いた心にしみる美しい絵本。 小学中級から
兵十が病気の母親のためにとったウナギを、いたずら心からついとってしまった“ごん”…。名作の世界を格調高い絵画で再現した大型絵本。 5才から一般むき
内容説明
兵十が病気の母親のためにとったうなぎをふとしたいたずら心から奪ってしまったきつねのごん。せめてものつぐないにとごんは、こっそり栗や松茸を届けつづけますが、その善意は兵十に伝わらぬままに思いがけない結末をむかえます。宮沢賢治と並ぶ古典的童話作家、新美南吉、その屈指の傑作短篇「ごんぎつね」を気鋭の画家、黒井健が絵本化。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アサガオ先生
254
「ゴンの兵十への償いという行動がやがて、『死』という悲劇を生む◇果たして、罪は、死をもたなければ、償われないものなのだろうか◇私が子どもの頃、イタズラばかりして、よく叱られていたことを覚えている。そのたびにイライラし、自分が悪いはずなのに、恨み、復讐したくなる感情に襲われた◇私には、弟がいる。その弟にもよく、意地悪をしていた時期があった。誰が上なのか示す為だったと思う。弟は従った◇ある日のこと。地域の友だちと野球をしている時に、私がボールをなくしたことがあった。それで、私がボール代を弁償する→2ページ目へ2016/12/24
匠
199
子どもの時以来の再読で、ラストはやっぱり泣いてしまうのだけど、この物語の奥深さは今のほうがずっとよく理解できるようになっていた。黒井健さんの優しい絵がまたせつない涙を誘う。今目の前に起きてしまったことだけを取れば、あぁなんてひどい・・と思うのだが、よくよく考えていくと因果応報なのだよね。キツネはどうしたら一番良かったのか、兵十はどうしたらこの悲劇を防げたのか。もしお子さんに読み聞かせするなら、ぜひそのあたりを話し合ってみるのもいいと思う。2014/10/10
馨
181
幼い頃習ったけど全く内容を覚えていなかったので読みました。こんな深い話だったなんて・・・なんともやるせないです。ごんの一所懸命な姿が健気だし、兵十と生きているうちに分かり合えたらよかったのになと悔やまれます。ごんにはごんの、兵十には兵十の正義があった、そして兵十はまた後悔しながら生きていくのかな?2016/02/13
のっち♬
163
孤独ないたずら狐の物語。教材用に改編される前の素朴で情緒豊かな文章に、幻想的で透明感のある黒井の作画が見事に調和して、大人の絵本に仕上がっている。表情を抑えた朧げな質感も口伝を想起する語り手の郷愁を醸し出す。お互い共通点のある孤独を持ちながら共有できずに傷つけあってしまう因果を鮮やかに描いた名作。兵十が負った罪悪感を思うと暗澹とした物語であるが、同時に「何かいい事をした」から「うれしくなりました」に成長したごんからは仄かな温もりも余韻として残る。贈り物にも小さくてささやかなものに対する著者の愛着を感じた。2022/09/27
zero1
160
罪は死ぬまで罪のまま?少しの言葉で理解し合えた?母親と暮らす兵十に、ごんはイタズラをする。兵十の母親が死んで後悔するごん。盗んだ鰯を兵十の家に投げ込み大失敗。栗や松茸を届ける。兵十はごんがしたことを知らない。小学四年の国語教科書では定番。「手ぶくろを買いに」と同じく黒井健の絵が素晴らしい!今の小学生は悲しい結末を含め、作品をどう解釈し教訓とする?因果応報?孤独のつらさ?謝罪が報われない理不尽さ?読書は軽重の差があるだけでトラウマが教訓に結び付くのは間違いない。大人も一緒に読みたい名作中の名作!2019/06/11
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