出版社内容情報
学校の教室では無視されていた少年、からすたろうには、かくされた才能が。教育とは何かを問う。 小学校低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
81
読み始めてすぐにこみ上げてくるものがありました。孤独で、どこまでも孤独で、いつまでも経っても孤独な「ちび」と呼ばれた生徒。でも、6年生になって担任が代わると、ちびの世界が少しずつ変わっていきました。先生はちびの絵や習字を壁に貼り、二人だけで話をし、学芸会で「烏の鳴き声」を発表させました。その日からちびは「からすたろう」になりました。孤独な学校生活の中で、ちびがどれほど豊かな感性を培っていたか、ちゃんと見てくれた先生がいたことに、また涙がこぼれました。物語も胸を打ちますが、絵も力強く見る者に迫ってきます。2023/09/12
榊原 香織
77
微妙に惹かれる表紙絵。 トットちゃんの巴思い出した2024/07/15
☆よいこ
75
みんなから「ちび」と呼ばれバカにされていた少年が、6年生になりひとりの先生とであった。先生はちびのいいところをたくさん見つけてくれた。学芸会でみごとなからすの鳴き声を披露した少年は「からすたろう」と呼ばれるようになった。▽6年生のおすすめ本にいれようと再読。読み聞かせするときに、カラスの鳴き声をどう発音するか悩む。ふつうに読むけど。2019/04/11
はる
67
何だろう。不思議な魅力に引き込まれた。表紙の絵からもっと日本的な絵かと思ったら、本編の絵は垢抜けた鮮烈なもので、全く古さを感じない。主人公の男の子は学校の生活に馴染めず、自分の世界に引きこもってしまう。けれど、新しくやってきた先生は、この少年のことをちゃんと理解していた……。いつの時代でも素晴らしい教育者はいるんだなあ。2023/09/09
とよぽん
61
水上勉氏が、ぜひ読んでほしい本との讃辞。1979年1刷。もう45年も前だ。61刷の2010年発行を読んだ。逆境の中、人知れず努力した「たろう」に拍手! そして、先入観をもたずに子どもと接した「いそべ先生」は素晴らしい!2024/04/01