出版社内容情報
門付けをしてあるいていた孤児の少年クラバートは、ふしぎな夢の声にさそわれて、コーゼル湿地の水車場をたずね見習となった。そして、この謎めいた水車場で、親方に魔法を習うことになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
44
門付をする少年クラバートは、夢で不思議な声に誘われて粉挽き職人のギルドに入り込む。仕事はキツくても食べ物も豊富にあって、先輩職人との絆もあり、一見すると普通の職場のようなそこは、魔法を使う隻眼の親方が支配する世界。クラバートは逃れられない運命に絡め取られてしまった!魔法があり、教会には一度も行ったりしないのに、暦はキリスト教に則って進む。それがルネサンス期のこの地方の文化を現しているような気がした。復活祭で歌う美しい声の少女に惹かれるクラバートに待ち受ける運命は…?2023/01/09
美紀ちゃん
38
作者は「大どろぼうホッツェンプロッツ」のプロイスラー。「クラバート」は宮崎駿監督のお薦め本。孤児の少年クラバートは、3晩同じ夢を見た。不思議な夢の声に従い、コーゼル湿地の水車場を訪ね、見習いとなり、魔法を習う。前半はもやもやした感じで解らない事が多いが、後半は、クラバートも仕事に慣れてきて面白くなる。感想は下巻で。2013/01/20
ちょん
34
前に三鷹の森ジブリ美術館の本屋さんの中で見つけた本。この時は旅行中で本が重たくて買えなかったのですが、図書館で発見。「上」だけ借りてきました自分を怒りたい。早く、早く続きをっ...。世界観が独特でステキな物語。このお話がジブリで映画になったらどんなふうなんだろと思いながら読むのも楽しいです✨2021/05/31
tom
23
読友さんのコメントを読んで借りてくる。お久しぶりのファンタジー。おまけに出自はドイツ。後書きによれば、ドイツの国の昔話をネタにして作った物語。魔法使いがいる。ある日、少年の夢の中にお誘いのメッセージが来た。少年は、誘われるまま、魔法使いの家に行く。厳しい労働が待っていたけど、魔法使いは魔法を教えてくれる。労働の日々の中での、ちょっとしたエピソード(これは、いかにも昔話、ホラ話を思わせる)が続く。でも、不穏なこともときどき。ちょっと期待させる雰囲気がある。はてさて、主人公は下巻で何をするのかお楽しみ。2020/10/16
カラスノエンドウ
18
初めて読んだ数年前は、クラバートと共に霧の中を手探りで進んでいく感覚で読みました。水車場での厳しい労働、不可解な風習、気にかけてくれるただ一人の先輩職人トンダの存在… 今回は再読なので、じっくりと内容を味わいながら。 ドイツの村が舞台の影をおびた幻想的なこのファンタジーに、私はなぜだか心を引き寄せられます。2019/01/17
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